あの時の話 ページ20
あの時、
つい、好きだなんて、口走っちゃって。
しょうがないじゃん、
それくらい、好きだったんだから。
いつから好き?
なんて、
多分、初めて会った時からだよ。
「なんもない…」
拓「嘘つけ(笑)」
「…言えない、」
拓「優希くんのこと好、」
「きじゃないってば!」
拓「わかってるよ(笑)」
パッと私から離れたと思ったら私の頭をぐしゃっと乱してからリビングに戻った。
あれ、もっと拗ねてると思ったんだけど、そんなことなかったのかな。
吃ったとこも何も言われなかったし。
まぁいいかと思って料理を再開すると、
またキッチンに向かってくる足音が聞こえてきた。
振り向くとたくが近付いてくる。
「なに?」
拓「忘れもんした」
「さっきなんか持ってきてたっけ?」
拓「んーん」
私より身長の高いたくが目の前に来て見上げる様に顔を上げると軽く唇が重なった。
何度か離れては重なってを繰り返してからぎゅっと抱きしめられる。
「な、なに、急に」
拓「これ、俺以外のやつにやらせんなよ」
「な、…なに、急に、されないよ」
拓「今んとこ優希くんて奴が1番危険やからな」
ぎゅぅって抱きしめる腕に力が入って
こめかみ辺りに優しく口づけされる。
嫉妬っていうより、心配、みたいな感じなのかな。
こんな平々凡々な私だから、そんな心配する事ないのに。
むしろ心配なのはこっちの方。
拓「ほんとに、不安」
そう言って、また、優しいキス。
だから、大丈夫だって。
あの時から
初めて会ったあの時から
完全に虜になってるのはこっちで。
あの時、たくに話しかけられなかっただけでボロボロ泣いちゃうくらい、私はたくのことが好きなんだよ、って
そう言ったって、たくの不安は拭いきれないのかな。
拓「しつこいってわかってるんやけど、Aちゃんだけはほんとに、譲れんから、許して」
そう言って今度はおでこに軽くキス。
あー、もう、不安なのはこっちの方なんだってば。
これ以上かっこよくならないでよ。
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らむね(プロフ) - Aさん» そんな事言って下さってうれしい限りです(>_<)気まぐれなゆっくり亀更新ですが楽しみにお待ち下さい!! (2018年1月1日 4時) (レス) id: 64f520ad7e (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - ほんとに一番好きな作品できゅんきゅんしっぱなしです(´;ω;`)次の更新も楽しみにしてます(o^^o) (2018年1月1日 3時) (レス) id: da8fd23d44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2017年11月8日 16時