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いや、まさか。
子供向けの寓話じゃあるまいしそれは無いだろうと心の中で軽く自嘲すると、いつの間にか比喩でもなんでもなく目の色を変えたフロイドが、
「ねぇ、何でオレのこと避けんの？オレの愛、受け止めてくれないの？」
悲しみと怒りが混ざった声で、すがるようにそう言った。
「はぁ？」
「だから、何でいっつもオレから逃げようとすんの？何回抱き締めてもすぐ逃げんじゃん。そんなにオレの事嫌い？」
お前が嫌いなんじゃなくて過干渉が嫌いなだけだ。そう言いたいのだが、仄かに桃色がかったハートが入ったフロイドの瞳と刺さるようなギャラリーの視線が痛くて何も言い出せない。
羽をはためかせたまま困っていると、
「黒エビちゃんがオレの事嫌いって言うならオレ……ここで舌噛んで死ぬから！」
「はっ？」
突拍子もない事を言い出した。
流石にそれは、と思っていると、
「3秒以内に好きって言って。3〜」
舌を軽くそのギザ歯で挟みだした。
「えっ、ちょ……」
「2〜」
カウントが減る。
「1〜！」
「好き！好きだから……！」
「ホントぉ？あっは、オレも黒エビちゃんの事、だぁいすきだよ」
「…………そりゃどうも」
何なんだ。
天井のギリギリを飛ぶ俺に向かって先程のように機嫌良く両腕を伸ばしてくるフロイドに対して怪奇の目を向ける。
やはりとり憑かれているのではと思っていると今度は、
「A様、どうか降りてきて下さいませんか」
これまた瞳のおかしいシルバーが保健室の床に片膝をついて懇願した。
「共にいることが叶わなかった17年間を埋めるくらい……A様の傍にいたいのです」
A様、ともう一度その薄い唇で俺の名を呼ぶ。何がどうなってやがる。シルバーまでよく分からない事を言い出した。
「A様を恋慕うなど無礼極まりない！A様という崇高な存在に好きなどと言うのは不埒だと思わんのか！」
セベクの怒号が保健室に響き渡る。
お前もか、お前もおかしくなったというのか。
フロイドとセベクはともかく、どちらかと言えばまともなシルバーの態度までが不気味に急変してしまった。
危機感とゴーストへの恐怖が相乗されて、俺はシルバーの願いに反して黒いレースで覆われた部屋の角まで後退する。
「何で逃げんの？ねえ、ギュッてしよ」
「もう二度とA様と離れたくありません……」
「ああ、それだというのに僕はA様に劣情を……A様、罪深い僕をお裁き下さい！」
ゴーストだ。絶対こいつらゴーストだ。
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るる(プロフ) - 流離いのsecretさん» 覚えてて下さりありがとうございます！！楽しみにしてますね！更新頑張ってください…！ (2020年11月3日 14時) (
レス) id: 3b86cea146 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - るるさん» るるさん、こんばんは！再度コメントありがとうございます！ まだ書く予定なので、引き続きお楽しみ下さい！ (2020年11月2日 20時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - インキュバスのお話ありがとうございます！！とても癒されました笑 (2020年11月2日 8時) (レス) id: 3b86cea146 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - 夜海さん» 申し訳ありませんが、投票は既に締め切らせていただきました…… ですが、コメントをしていただき、感謝でいっぱいです！3は得票しましたので、その衣装でも書きたいと思っています。今後の作品もお楽しみ下さい！ (2020年10月24日 13時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
夜海 - 3のインキュバスが良いと思います (2020年10月24日 10時) (レス) id: a3c70cbb44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流離いのsecret | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年9月5日 17時
