【APH】拙者の中編か短編かよくわからない夢小説でござる

【普】『風邪』#2《ほのぼの》 ページ11

なんやかんやでお粥の調理は終了した。

部屋へ持っていくと、ギルは素直に喜んでくれた。

貴「食べたらおとなしくしてね」

ギル「食わせて」

貴「え？」

ギル「俺そんな気力ねぇもん」

さっきまで叫んだり歩いてたのは何だったのかと思ったが、百歩譲っても病人であることに違いはない。

スプーンで一口分すくって食べさせる。

またすくって食べさせる。

何だか緊張。

こういうことをするのは今までに無かったものだからか、もしかするとギル相手だからか。

とにかく、今やるべきことに集中しよう。

貴「おいしい？」

ギル「ああ、うまい！」

貴「良かった」

ギル「俺様栄誉賞あげてもいいぜ！！」

貴「そう」

ふと口角が上がっていたことに気づいた。

自然と笑顔になっていた。

面白いとか嬉しいとかでなく、別の何かがそうさせているようだった。

ギルも笑っている。

ギル「お前、優しいんだな」

さりげなく言われたこの台詞。

ギル「その…看病してくれて、ありがとな。
感謝してるぜ」

ただ単純に嬉しい。

親切心や同情でやっている事でなく自分勝手でやっている事ではあるけれど、感謝されると嬉しい。

しかし感謝されると同時に罪悪感も生まれる。

親切の押し売りみたいで。

貴「早くよくなってね」

ギル「おう！」

貴「そうすれば私も楽だから」

ギル「そういう意味かよ！？」

楽な方が良いに決まっている。

楽しいという意も含めて。

【加】『立場の逆転』#1《ほの甘》→←【普】『風邪』#1《ほのぼの》

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