同居人は有名人 6≪ﾆ/ﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ 完結 (ページ28)

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大野さんの始まらない気持ちページ28

これはちょっとだけ前の話。

翔君と仕事終りに飲みに行った時のこと。

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櫻『知り合い見つけちゃった！一緒に飲んでもいい？多分楽しいよ？』

なんて言って、女の子を一人捕まえてきた。
誰なんだろううと思いながら、一緒に店に入った。

店に入って、注文をして。
一緒に酒を飲む。

緊張して、固まったままのこの子はちらちらと、俺と翔君を見てくる。
ん～…なんか小動物みたいだな。

自己紹介も終わったことだし、
もう聞いてもいいだろう？

『何つながり？』

って聞いたら、翔君はにっこり笑って

櫻『ニノつながり！』

だって。

おどおどしたままの彼女。

俺に言われて、やっと説明してくれる。

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彼女じゃないんだ。

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なんて、頭の片隅。

もっと話を聞きたい。

もっと君を教えて。

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飲めば飲むほど、君の口は動くから。

たくさん勧めた。

櫻『俺、ちょっとトイレ』

翔君が席を外したとき、ちょっとさぐりをいれた。

トロンとした眼で、その口で。

『声、聞きたくて…』

いろいろ言ってたけど、一番耳に残った言葉。

そのまま眠りにつく君。

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小動物みたいに、体を小さく丸めて。

もしも、その願いが叶わなかったら…

なんて、柄にもないこと考えて。

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数時間後には、馬鹿なこと考えたな。なんて思う。

君の想い人が、眠る君の頭をやさしくなでる。

俺が見る限り、そこには愛があると思った。

もう、長い付き合いだから。ね？

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幸せになってほしいな。

ぼんやり思った。

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ニノ『大野さん、今度みんなでうち来ない？』

『へぇ？』

ニノ『なに、寝てたの？みんなで鍋しようよ。』

『う～ん、予定があえばね。』

ニノ『合わせましょーや！ｗ』

笑って、幸せそうなニノを見ると。

思わず笑顔になる。

君も幸せなのかな。なんて。

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携帯を開いて、いまだに消せない写メをみた。

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『やっぱりなんかに似てるんだよな』

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なんて、消せない理由を作って。

また、携帯を閉じた。