同居人は有名人 6≪ﾆ/ﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ 完結 (ページ26)

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マジック～ニノside～ページ26

最近、前にもましてマジックの新作をやたらと習得している。

まあ、理由はちゃんとあって。
Aに見せるためだったりする。

特に今日の新作は！！

なんて、意気込んでたら、何がAのスイッチを押しちゃったのか。

今日は、

『もう一回！！』

って、こればっかり。

『まだやんの？』

何回言ったことか…。

『タネがわかるまで見る！!』

なんて、膨れた顔で。
子供か。
まぁ、かわいいですけどネ？

たぶん、Aは単純なんだろう。

最初は面白かったから普通にやってたんだけど、四回目からさすがにやばいなと思った俺は、ゆっくり何度もタネがわかるようにやってんだけど気づかない。

『教えてあげるから、もう止めない？これ。』

なんて、言っても聞きゃーしない。

うーん。
今日、本当に見せたいマジックはこれじゃないんだけどな～。

でも、最近気がついたけど変なとこでAは頑固だから、引きゃ～しないし。

…さすがに１０回やりゃあもういいでしょ？

『おーわーり！！』

『え～？！』

おいおい、そんなぶーたれた顔するなよ…。

もう、最終手段。
Aにキスをした。

この誘惑には勝てないでしょ？

案の定、Aはぶーたれた顔で小さくつぶやく。

『…いいよ。でもあとで教えてね？』

なんか、その顔もかわいいな。笑。

『はいはい。じゃ、もう一回！w』

なんて言って、そのままAとじゃれあって。

.

.

.

.

横ですやすや眠るAを見ながら小さくため息。

ごぞごそと、トランプと一緒にとりだしたのはシンプルな輪っか。

前は思い出のネックレスを渡してしまったから、今度はちゃんと俺のしるしをあげようと思ったのに。

しかたないな。

そっとAの薬指にそれをはめる。

その指にそっとキスして、ふと思う。

誘惑されてんの俺じゃん？

小さく笑って、Aを抱きしめて眠った。