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〃〃 ページ10

* * *
「西街ノハズレノ屋敷ハ此処ダ!カァー!
直チニ他隊士ト合流スルノダ、無一郎!」
なんか、いつの間にか機嫌直ってる……。

その屋敷は、全てが茨に囲まれた、廃墟のような場所だった。
いや、実際本当に廃墟なのかもしれない。
広い敷地と家だけど、雑草なんかはたくさん生えてるし、人が住んでいる気配もない。
だけど、鬼が居ることは確かなのだろう。

屋敷を覆い尽くすあの茨は、恐らく鬼の血鬼術だ。
ついでに言えば、敷地を埋め尽くすこの雑草も。
そこから推測すれば、敵の血鬼術は植物と考えるのが妥当だろうね。
「合流するって言ってもさ、相手が何処にいるか分からなかったら、
合流以前の問題だよね?」
辺りを見て気づいた。
そもそも合同相手がいないよね?
シーンとする辺り。自然と吹く風が、なんだか寒く感じた。
「ツベコベ言ワズニサッサト合流シロ!居場所ガ分カラナケレバ探スシカナイダロウ!」
イラッ
「君は色々と簡単に言ってくれるけどさぁ―」
「―いや、その必要はないぜ。隊員と鴉諸君。」
そんな声がして振り返ると、
男の隊員三名が、待ってましたとばかりに揃っていた。
「よっ!元気してるか?」

「かすがい鴉不仲隊、ですか…?」
「そっ!まぁあくまで自称だが、俺達は自分らのことそう呼んでるぜ。」
「そ、そうなんですか…」
「俺は清川 皓敦(きよかわ つぐつる)。
こっちが中教 焔(なかおし ほのお)。
んで、その隣が蒐葡 劍(しゅうぶ つるぎ)な。」
「よろしくお願いします。」
蒐葡さんだけが、そう言って小さくお辞儀をしてくれた。
「全員、階級は庚だ。」
「皆さん、名前が特殊なんですね…」
僕がそう言うと、清川さんは誇らし気な顔をした。
「おうよ!それが俺達「かすがい鴉不仲隊」の共通点だからな!」

「かすがい鴉不仲隊」。それは、
清川 皓敦(18歳)、
中教 焔(17歳)、
蒐葡 劍(16歳)、
の3人で構成された(あくまで自称だが。)、一つの鬼殺“隊”である。(俗世でいう「かまぼこ隊」のようなもの。)
彼らの共通点は主に3つ。
一つ、名前が特殊。
二つ、鳥が好き。
三つ、でもかすがい鴉は苦手。ていうか嫌い。
である。

「変ナ名前ダナ、晧敦ッテ。」
またこの鴉は、特に何も考えてなさそうな、率直な言葉で清川さんの名を侮辱した。
失礼過ぎる…。
「なんだと鴉テメェっ!!俺の名前はなぁ!

〃〃→←〃〃



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設定タグ:継子 , 時透無一郎   
作品ジャンル:泣ける話
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作者名:悲羽理 Hibari | 作成日時:2020年6月28日 5時

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