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第一章 始まり  第八段落目「喧嘩するほど仲が良い…?」 ページ4

* * *
―霞の呼吸 参ノ型 霞散の飛沫
鬼の頸を斬った。血飛沫が飛んだ。刀がもう無理だと言うように欠けた。
灰と灰の匂いが目の前を包んだ。
やっぱり刃こぼれの刀だと技の威力が落ちる。
一撃で倒せて良かった。そうでないとこっちが不利になってくる。
「無一郎、モウ辞メロ!ソレ以上ソノ刀デ戦ウノハ無理ダ!
刃コボレガ酷過ギル!見レバワカルダロウ!
新シイ刀ガ届クノヲ待テ!」

そんなことを言いながら、毘和は内心驚いていた。
その理由はただ一つ。
この一週間で、刃折れの刀だったのに関わらず、無一郎が階級を上げたからだ。

―「あれ、いつの間にか階級上がってる。」
―「ハアァ!?」

コイツ…!アンナすらット階級ヲ上ゲオッテ…!
フザケルナヨ!鬼殺隊ヲ舐メテイルノカ!?
階級ハ、ソンナ簡単ニ上ゲルモノデハナイノダ!
ソレヲコイツハ易々ト…!

そんなことを思いながら、ただただ無一郎に怒りを感じる毘和。

「……」
確かに、これ以上は限界かな。刀がもう駄目だ。
手に握っている刀を少し揺らした。それだけで、
パラ、パラパラ…
と破片が砕けた。
早く新しい刀が届かないと…
「時透さ〜ん!時透さ〜ん!」
そんなことを思ってる最中に聞こえた、誰かの呼ぶ声。
ひょっとこのお面を被った人だ。
どこかでみたことある…
そんな気がした。
あの人、確か…
「刀、刀持って来ましたよ!大変お待たせしました!」

「こちらが刀になります。遅くなってしまってすみませんでした。
なるべく急いだんですが、それで適当になってはいけませんので…。」
息をハァハァさせながら、その人は刀を風呂敷から出した。
そんなに急いで来たんだ…
「どうぞ、抜刀してください。こんな街中ですが…もし誰かに何か言われましたら、私がどうにかしますので、安心してください。」
そう言われて刀を鞘から抜くと、刀身が白色に帯びた。
「一週間前と同じ、とても綺麗な白ですねぇ。
私、白の刀色を見るのは初めてなんですよ。前の担当剣士さんは青だったので。
さぁさぁ、折れた刀は私がお預かりして処理しておきますね。」
そう言われて、刃折れの刀を、鞘ごとその人に渡した。
「わっ、こんなに刃が折れてボロボロの刀で…よく戦えましたね!
すごいですよ時透さん!」
鞘から刃折れの刀を抜いて、その刀のもはや無惨とも言える様子をその人はまじまじと見た。
小声で、
「どうやったらこんな風になるんでしょうねぇ」
という驚きの声も聞こえた。

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設定タグ:継子 , 時透無一郎   
作品ジャンル:泣ける話
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作者名:悲羽理 Hibari | 作成日時:2020年6月28日 5時

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