鬼滅の刃～継子・信物技華蘭～仮弐 (ページ1)

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「はい勿論！
私は、時透さんの刀を造る担当ですから！お任せください！
時透さんには、「オンボロな刀を造ってしまい、大変申し訳ありませんでした。試行錯誤を重ね、より頑丈な刀を造れるように頑張ります。」とお伝えください。」
顔を上げ、気勢のある声で私はそう言った。
「アア、分カッタ。伝エテオコウ。
ソレデハ、ヨロシク頼ムゾ。」
その鴉は、そう言って飛び去った。
「はい！」

＊＊＊
「師範っ！師範!!お願いします、死なないでくださいっ！師範っっ！！」
「綴(つづり)…貴女、もっと強くなるのよ…｡
私が居なくても、もっと…強く…」
私の腕の中で、師範は静かにそう言った。
もう力無き手で、私の手を、優しく、握りしめた。
やめてよ…そんな言い方…まるで、
「もう死んじゃうみたいな言い方しないで…
もっと生きていてよ…
ねぇ、師範。
どうして私は、誰かに迷惑をかけることしか出来ないの…
どうして、私を救ってくれた師範のことさえも」
「守ることが出来ないの」そう言おうとした時、師範が反論した。
「それは違うわ、綴。
私は、自分の意思でこうなったのよ…｡
全て自業自得。自己責任。
だから貴女は心配しないで、気にしないで…｡
大丈夫よ、綴は強い。賢い。偉い。誰よりも。
私が一番よく知ってる。
だから負けないで。
どんな困難にも、どんな悔しさにも、苦しさにも、辛さにも、必ず愛は勝つから。
綴は綴だけの、世界への愛を見つけていけるんだよ…｡」
師範の目が閉じてゆく。声が掠れてゆく。
何が大丈夫なの――?
「師範、師範…」

そう言って、綴は泣き続けている。
あぁ、私の所為だな｡
私がもう少し強ければ、こうやって綴を泣かせずに済んだかな…
それとも、私が綴の師範に、ならなければよかったのかな…
どうしたら、正解だったの?
これで良かった?
「あのね、綴。
私って、柱の中で準最弱でしょ?
だからそんなに偉そうなこと言えないんだけど…」
「綴は、大丈夫よ。
自信持って。
だって貴女は―」

何が…
「何が、大丈夫なんですか?
結局私は！師範のことすら、守れなかったじゃないですかっ…！！」

綴は、怒りの感情をそのまま、言葉としてぶつけていた。
許さない。
ただそれだけが強く、強く綴のことを支配していた。
でもそれは、私じゃなくて―

「なんでもかんでも、「大丈夫大丈夫」って師範は言うけど、
そんなの全部、まやかしじゃないですかっ！」

―自分に対して、綴は許せないと思ってる。