献立 ページ34
Aside
袖をまくって手を洗う。お米を研いで炊飯器にかける。
レンコンを軽く茹で、秋刀魚を捌く。朝だから半身でいいよね。
鶏つくねを作って小松菜を洗う。つくねにはレンコンを細かく切って入れた。
つくねに焼き目を付けてレンコンと一緒にお出汁で煮込む。
それと同時にお水を火にかけ、だしの素を入れる。
豆腐を切る。秋刀魚に軽く塩をしてグリルで焼く。
煮物には出しを染ませたクッキングペーパーをかぶせ、弱火にする。味が染みやすくなるからね。
卵をといて二つに分ける。片方は甘めにもう片方はだし巻き風に味を付ける。
小松菜を茹でて水気を切る。4cmくらいに切ってお皿に盛る。上からポン酢とカツオをかける。
秋刀魚を裏返してさらに焼く。豆腐をお湯に入れ、火が通ったら少しづつ味噌を溶かす。
煮物の火を止めてしばらく置く。秋刀魚をお皿に盛る。
時間を無駄にせず、栄養を考え作っている朝食。
毎日自分のためにお弁当を作ってはいるけど、朝は食べないことが多くて、朝ごはんを作り、食べるのは久しぶり。
それに、人のためにご飯を作るのが久しぶりで、嬉しくて。
小学生から作り始めた毎日のご飯。最初の頃は楽しかったし、おばあちゃんも手伝ってくれたから全く苦にはならなかった。
でも中学生になって時間が無くなってきた。手伝ってくれていたおばあちゃんも足腰を悪くして台所に立てなくなった。
1度だけどうしてもテスト勉強が追いつかなくて母に晩御飯を頼んだことがあった。私は忘れていた。あの人のご飯はとても食べられないくらい美味しくないこと。
私は何とか食べ切ったけれど、好き嫌いの激しい、正直な弟は「美味しくない」と言って大量に残してしまった。
母の機嫌はみるみるうちに悪くなり、いつも以上に逆ギレや私に対しての嫌味が酷くなった。
だから、その日からやっぱり私が作らないといけないと思った。
テスト前であろうが、入試前日でも、風邪を引いていても、お客さんが来ても作り続けた。
それは家族のためなんかではなく、自分のためだった。不味いご飯を食べたくないから。母親の機嫌を損ねたくないから。
買い物もそう。あの人に行かせると安かったからと言って使い道のないものや、無駄に大量の葉物野菜とかを買い込んでくる。
量が多すぎて消費しきれず、野菜室の奥底で朽ちていくなんてことが沢山あった。その度に食材や生産者さんに申し訳無くなって来て、だんだんと自分自身で買出しにも行くようにもなった。
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シロマリ(プロフ) - ハチミツさん» ありがとうございます!ハチミツさんの作品楽しく読ませて頂いているのでとても嬉しいです!頑張ります! (2019年3月25日 23時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ(プロフ) - コメント失礼します!とても面白い小説なので、更新楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 22時) (レス) id: 9c73988fd7 (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - 月雨さん» 訂正ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - おこずかい× おこづかい○ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 13ee1e808b (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - まりあ 裏千家さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロマリ | 作成日時:2018年12月9日 21時