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気がつけば ページ32

センラside

真剣な眼差しで野菜を選んでいるAちゃん。特売とか割引きとか書いてあるのを選んで行ってるところがやっぱり主婦やなあと思う。

僕も自炊はするけれど最近は忙しくてそこまでしっかりしたものを作れているわけでもない。今日はAちゃんに任せようと思って、何も口出しはしていない。

野菜コーナーを過ぎると鮮魚コーナーがある。



「あ!秋刀魚や!」

「ほんとですね。そんな時期ですか…」

「センラ秋刀魚食べたい!良い?」

朝から秋刀魚は重いかなと思いつつも適当にその辺にあったパックをカートに入れる。

「待ってください。」

「へ?」

僕の入れたパックをカートから取り出して元に戻すAちゃん。

「これより、こっちの方が美味しいと思います。」

そう言って彼女がカートに入れたのはさっきのパックの2つ隣にあった秋刀魚。

「魚なんてどれも一緒ちゃうん?」

「実はそう見えても違うんですよ。この秋刀魚とさっきの秋刀魚の口先をよーく見てみてください。」

言われた通りじっと見てみる。

「Aちゃんが選んだやつの方が黄色っぽい?」

「そうなんです。秋刀魚は口先が黄色い方が新鮮で美味しいんです!」

「へぇー。知らんかった」

他の食材もこうやって細かいとこを注意しながら買ってるんかと思うとほんまにすごいと思う。

「そう言えば、センラさんの苦手な食べ物ってありますか?」

「きゅうり」

即答してもーた。だって嫌いなんやもん…。

「きゅうりですか。今日は使う予定がなかったので良かったです。まだ旬でもないですしね。」

そんな会話をしながらもAちゃんは目を光らせて食品棚の端から端まで目を通している。

気がつけばもうレジを通っていた。



Aside

保育園の頃からクッキングの時間が大好きだったし、おままごとも好きだった。

そんな私を見たおばあちゃんはたくさんの料理を教えてくれたし食材の善し悪しも教えてくれた。

おもちゃも買ってもらえなかったし、遊ぶ友達や大人もあまりいなかった私からすれば、おばあちゃんの家に一人で行って、並んでご飯を作るのが楽しくて仕方なかった。

小学生に上がる頃には簡単な晩御飯が作れるようになっていた私。まさか私の料理好きが後々私を苦しめることになるなんて思いもしなかった。

母はいつも帰ってくるのが遅かった。だから暇つぶしに、この頃から1人で晩御飯を作り始めた。それを上手く利用した母親。気がつけば毎食私が作ることになっていた

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設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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シロマリ(プロフ) - ハチミツさん» ありがとうございます!ハチミツさんの作品楽しく読ませて頂いているのでとても嬉しいです!頑張ります! (2019年3月25日 23時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ(プロフ) - コメント失礼します!とても面白い小説なので、更新楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 22時) (レス) id: 9c73988fd7 (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - 月雨さん» 訂正ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - おこずかい× おこづかい○ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 13ee1e808b (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - まりあ 裏千家さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロマリ | 作成日時:2018年12月9日 21時

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