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探し中です1 ページ4

センラside

探し中?家を?

思わず疑問が声に出てしまう

「じゃあ、今日はどうするつもりやったん?」

加奈ちゃんが答える。

「私の家に泊めてあげたかったんですけど、色々あって難しくて、適当に安いホテル見つけるか、

その辺で寝るって言ってました。」

「その辺で寝るって………野宿ってこと?」

「まあ、そういうことですね」

加奈ちゃんはAちゃんをギュッと抱きしめて頭を撫でる。

「その話は後でいいから、取り敢えず風邪ひくから中入ろう。センラ、家上げたってくれへん?」

普通なら色々警戒するだろうけど、どう見てもAちゃんは入れてあげないとあかん人やと思っ

た。

「家は探し中」

その言葉がより、僕をそう思わせた。

「よし。Aちゃん。取り敢えずこのお兄さんの部屋で休ませてもらうからな。

立てる?」

Aちゃんは僕と坂田、加奈ちゃんの3人が支えてやっと立てた。僕にかかっている体重は怖いほ

ど軽く、腕を握っている手は凍るほど冷たかった。

「センラの部屋ってソファあったけ?」

「ああ、あるけど。ベッド使ったらええんちゃう?」

「いや、もしも夜まで具合良くならんかったら寝る場所なくなるで?」

「僕のんやないベッドあるからそれ使い。」

「僕のんやないベッド。」

それはつい最近別れた彼女が使っていたものだ。振ったのは僕から。

もともとリスナーで、可愛らしかったけど、自己中で、ぶりっ子で、嫉妬が酷くて、僕も一緒にいて

疲れた。だから別れてよかったと思っている。

それを坂田達は知っている。

だから、今坂田の顔を見るとかなり気まずそうな顔をしている。そんな気使わんくていいのに。

そんなことを考えている間に部屋に着く。急いで鍵を開けるとすぐにベッドまで連れて行き寝かせる。

眉間には深い皺が寄り、辛さを物語っていた。

目の下には酷いクマがあり、ひょっとして最近は寝てなかったのでは無いかとさえ思う。

唇は紫に染まり、軽く震えていた。


決して世界中が振り返るような美貌を持っているわけでは無い。


抜けるような白い肌を持っているわけではない。


ただ、長めの睫毛と漆黒の艶のあるミディアムヘアと目の下のクマが儚さを演出していた。

守りたいと思った。

守らなければいけないと思った。

こんな漫画みたいなこと、あるわけが無いと思っていた。




僕は君に一目惚れしたんだ。

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設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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シロマリ(プロフ) - ハチミツさん» ありがとうございます!ハチミツさんの作品楽しく読ませて頂いているのでとても嬉しいです!頑張ります! (2019年3月25日 23時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
ハチミツ(プロフ) - コメント失礼します!とても面白い小説なので、更新楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 22時) (レス) id: 9c73988fd7 (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - 月雨さん» 訂正ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - おこずかい× おこづかい○ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 13ee1e808b (このIDを非表示/違反報告)
シロマリ(プロフ) - まりあ 裏千家さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 733482b1be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロマリ | 作成日時:2018年12月9日 21時

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