もしもの世界 (ページ35)

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神山サイド

しげと流星が話してる間、

のんちゃんは何も言わずにじっと二人の事をみていたけど、

そのうちに涙目になっていき、

部屋を出ていった。

俺も、そっと部屋を出てのんちゃんの後を追った。

部屋を出て廊下の突き当たりにある、

自動販売機とソファーのあるところにのんちゃんはいた。

「どうしたん⁇」

俺が近づいていたのが気がついていなかったのか、ビックリした顔で俺の顔をみた。

「神ちゃんか…」

「神ちゃんやで笑

ごめんな、しげじゃなくて」

「…俺、しげの為って色々してたけど、全部無理して付き合ってくれてたんかな」

のんちゃんは手を握りしめて、

下を向いたままポツリ…ポツリと話しはじめた。

「…俺、さっきの流星みてしげが飲める飲み物も食べたい物も知らんって気がついた。俺が色々用意して無理にしげに食べさせてたんかな…。しんどいのに無理してたんかな…。」

「そんなことないやろ、しげの性格のんちゃんが一番知ってるやろ⁇食べたくない物は食べないし、嫌な物は嫌って言う。自分の意思は持ってるしげやから、無理はしてないと思うで。まぁ、多少はしてるんかもしれへんけど、でも、それはのんちゃんやからやで。大好きなのんちゃんが考えてしてくれてる事やから嬉しいとしげ思ってるはずやで。」

「そうかな…」

「何、ウジウジしてるねん‼︎‼︎‼︎のんちゃんはこれから、しげとお腹の子供2人を守らなあかんねんで、こんな事で悩んでる場合じゃないやろ。これからは、しげのリクエストも聞いたらいいやん。これからの道は長いんやし(ドヤッ)」

ブハッ、とのんちゃんが笑った。

笑顔が戻って良かった。

大好きな人が笑顔でおって欲しいっていうのは俺も同じ意見やから。

のんちゃんとしげが付き合ってるのは知ってた。

見てたら2人の雰囲気がかわっていったのがわかったから。

俺もずっとのんちゃんのこと見てたよ。