きみのために-Shori.Sato-

わたし ページ33

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わたしの言葉を聞いて、呆然としている勝利くんに背を向けた。



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これ以上一緒にいたら耐えられないから。




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「 勝利くん…裏切って、ごめんね 」

そう呟いて撮影現場を後にした。




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もう撮影現場にも楽屋にも二度と行けないだろうなあ…ってこれからのことを考えながら現場前にある自動販売機でオレンジジュースを買った。




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ボトンッと落ちてくる音がしたけど、ぼーっとしていてすぐに身体が動かなかった。




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「 出てきてるよ 」

後ろから懐かしい声がして、反射的に後ろに振り返ると




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「 優太くん… 」

以前のようにニコニコしている優太くん。




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たまたま違う雑誌撮影してたらしい優太くんと久々に会って嬉しい反面さっきのことを思い出すと辛くなる。




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優太「 A…？大丈夫か？ 」

この様子からして、さっきのことをもう知っているんだろう。




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大丈夫だよ、とも、大丈夫じゃないよ、とも言えず黙っていると




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優太「 俺は誰になにを言われようとAを信じるから。味方がいるってこと、忘れんなよ 」

なによ…優太くんのくせに…こんな格好いい言葉。




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「 傷つくのなんて、わたしだけでいいんだ。勝利くんがわたしのせいでメンバーと関係悪くなるなんて絶対に嫌だ 」




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そう言うわたしに優太くんは、優しい顔で頷いてくれた。




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