向かう先はバッドエンド 【リレー小説】

4話 【星原 奏汰】 ページ4

ぱち、と目が覚めむくりと起き上がる。

枕元に置いていたスマホを起動し、時間を確認する。
星空の背景と無機質に表記される5:30の文字を認識し、スマホを閉じてベッドから降りる。

小説も書き終え担当さんに提出したし、依頼も特に無い。…完全なる休日か、とぼんやり考えながら同居人を起こさないように気配を消してベランダに向かう。

外に出て煙草に火をつける。
思いっきり吸い込みふぅ、と仰いで紫煙を吐く。
やっぱり煙草はいつ吸っても美味い。

そのまま手すりに体重を預け、黄色から青へのグラデーションを見ながら、こんな日常が続けばいいのにな、と一人そんな事を思うも、

『(この力がある限り、そんな事叶わないだろうな)』

とその刹那の願いもあっさり掻き消しながら煙草を灰皿に捨て、部屋に戻って行った。

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