episode45 ページ45
長い、長い
夢を見た。
周りを見渡せば,夜空の中
何万個も光る青い星。
果てしなく広がる荒野。
真っ白なワンピースを着た私が
荒野に立っていた。
振り返ると
愛しくて、大好きで
私が生涯で
最も愛した、あの人が立っていた。
「大吾さ…」
私が名前を呼ぶと
あの人は私の方を見て
あの優しい笑顔で、微笑んだ。
タッタッ…
目の前まで走ると
『おかえり』
そう言って私を抱きしめてくれた。
*
「―――…あ…」
201X年。
執行の夜。
私はその夢を見た。
「……楽しかったなあ…」
ポツっと何かが頬を伝い、
ベッドのシーツに溢れた。
?:…ママぁ…泣いてるの…?
「…あ、ごめんね,結衣…?」
?:悲しいことあったの?
「ううん、大丈夫…ごめんね?」
あの時たった一つ、
この世にたった一つ。
大吾さんと私を繋ぐ形が残っていた。
「…結衣、大好きだよ…」
結衣:結衣も、ママが大好きだよ〜
10歳の結衣。
親にも友達にも何も言わず
何もかもを捨てて
この子と田舎にやってきた。
結衣:ママ〜、結衣目,覚めたー
「もう寝なさい、明日学校なんだから。」
結衣:嫌だ〜笑
ったく…誰に似たんだか。
「…結衣、じゃあパパのお話聞く?」
結衣:パパ?結衣にパパいるのー?
「…もう、会えないけど。」
・
・
「パパ、素敵な人だったんだよ…。」
結衣に話すとき、
私は泣いていた。
一つ、一つ。
大吾さんとの思い出を思い出して言葉にするたび、
生涯
この人を愛してよかったと
そう思えた。
結衣:…パパは死んでないよ?
「…え?」
結衣:だって、パパの事思い出してるって事は、
パパは,ママの中で生きてるんだよ!
ポタッ…
結衣のその言葉に
私は崩れ落ちた。
「…そっか…そっかっ…」
死んでなんかない…
結衣:パパがいなくても,結衣がずっとそばにいるよ。
「…ありがとう。」
結衣を抱きしめた。
・
・
あの時
貴方に出会えてよかった。
大吾さん、
貴方は私にとって
犯罪者なんかじゃない。
「…大好きだよ…」
end
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あいる - 今年も読みに来てしまいました 、何度読んでも終わりが近付くに連れて涙が溢れちゃいます。絶対にまた読みに来ますっ (2023年1月8日 14時) (レス) @page45 id: a55a80c359 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 久しぶりに読みにきてしまいました、、、何度読んでも泣いてしまう。又定期的に読みにきます。 (2022年8月23日 9時) (レス) @page1 id: aaba7b4d48 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜(プロフ) - ものすごく想像してしまって泣いてしまいました…とても感動しました、! (2020年3月12日 23時) (レス) id: 6fbde03a1f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 何回読んでも最後には絶対泣きます この物語を作ってくれてありがとうございます!! (2020年1月9日 0時) (レス) id: f62816a639 (このIDを非表示/違反報告)
鳳蝶(プロフ) - 何回も読む度涙腺が… 一回映像で観てみたいですね。 (2019年11月21日 23時) (レス) id: a5ac573be9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怪物ちゃん | 作成日時:2013年11月8日 22時