その小学生、呪術師ゆえ

その5 ページ6

その後は親睦を深める為に後輩達と話していた。今年の一年生は彼ら3人らしくだだっ広い校舎の割に生徒が比例してないんだよな……まぁ呪術師が沢山いても、それはそれで困る


特に虎杖悠仁君とは随分仲良くなれた。詳しい理由は知らないが、彼はつい最近編入してきた子らしい。釘崎野薔薇さんも伏黒恵君も幾分か警戒心が解けているし、優しい後輩たちに可愛がって幸せよ……本当によく出来た子達。後輩に可愛がって貰うってなんか立場がおかしい気もするけど


「はいはい、今日はここまで！Aはお家に帰る時間じゃないの？」



子どもってストレス溜まるわぁ……そろそろ相手するのも疲れてきたなと思っていた矢先、悟の気の利くアシストが入った。けれど人がいる手前接し方も変わっている…というか楽しんでねお前？


『うん！A、早く帰らないとママに心配かけちゃう！』

「だよねぇ！Aはお母さんにベッタリだもんね〜」



…とは素直に言えず、あくまで小学生のフリをしたまま返事をする。何となく腹が立ってきたので地味に悟の足を踏んづけてやった。それでも澄ました顔で悠々と歩き出すので、今度機会があれば金的してやろうと思う



「そっかあ…また今度な、A！」


『バイバーイ！悠仁お兄ちゃん、恵お兄ちゃん、野薔薇お姉ちゃん！また遊ぼうね！』


「A、僕とお手手繋ぐ？」


『わぁい調子に乗るなよ』



あれ今サラッと毒吐いた…？とか何とか聞こえたが、華麗に無視を決め虎杖君達と別れた。無邪気を装って彼らに手を振れば、皆も小さく手を振り返してくれる。優しいなあ…


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正門までは悟が見送ってくれた。夕暮れが街を橙色に照らし、もうすっかり夏の夕空である。


『じゃあね悟。また気が向いた時に来るよ』

「何言ってんだ？俺と一緒に帰るだろ？」

『アンタこそ何言ってんだ？』



冗談じゃない。こんな美形、高身長、モデル体型の三拍子が不覚にも揃ってるやつと一緒に歩いてたら当然注目されるだろう。周りに怪しまれるからやめて頂きたいのだが


「だって近頃変質者ばっかじゃん。お前今はパンピーなんだからさ……なんか対処法でもある訳ないし」

『……ほれ、ここに3つの防犯ブザーがあるじゃろ？』

「数の問題じゃないんだよなぁ」

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