その小学生、呪術師ゆえ

その23 ページ24

『……次』


ペラ、とページを捲る音が響く。両面宿儺が受肉する前だからか、今程呪霊達も活発では無さそうである。



──ただ、あるページで手を止めた





"記録 百鬼夜行"




『百鬼夜行…？なんだそれ』



悟からも硝子からも聞いたことがない単語。ただ単に忘れていたのか敢えて言わなかったのか……まぁいいか。少しばかりの興味本位でつい文字を追ってしまった




【12月24日の日没後、東京・新宿と京都各地に千の呪いが放たれる 死者××名 負傷者××名

この一連の事件の首謀者は──…】



＿ﾋｮｲｯ…


『あっ…！』



「……なーにシケたツラして見てんだよ」




急にファイルを取り上げられ、そのまま本棚の1番上へと収納された。これじゃあ幾ら背伸びしたって届かない……驚かさないでよ…夜蛾先生が戻ってきたのかと一瞬焦ったじゃん




『なんだ悟か……返せよファイル。まだ途中なんだけど』

「だから余計だっつーの。ガキが見るもんじゃねぇよ」

『都合悪い時だけ子ども扱いするのいい加減やめない？』



プンスコと腹を立てるが悟には全く効果が無い。しまいには手を引かれ、渋々資料保管庫を後にした……

ならば、本人に直接聞いた方が早い




『………ねぇ、悟』

「あ？」


『……百鬼夜行って…なに？』



すると廊下の真ん中で立ち止まった。やっぱり何か隠してることがあったんじゃないか。次の言葉を待つが…悟からの返事は



「……そりゃもう終わった話だ。お前が気にすることねぇよ」

『…うそつき』

「本当だって！ほら、ガキは帰った帰った！」





なんで…教えてくれないの？



余計に疑問が募るばかりだった。

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