その小学生、呪術師ゆえ

その11 ページ12

駅前まで伏黒君に送ってもらった。別れ際に"五条先生には俺から言っておくから、お前は賢く生きろよ"と意味深なことを言われたが、深くは突っ込まず"ありがとう"とだけ返した。生憎小学生なもんでねHAHA！A難しい言葉はよく分かんなーい！



『お兄ちゃんはこれからどこかに行くの？』

「ちょっとな。渡さなきゃいけねぇものがある」



透明な袋から"岡崎 正"という文字だけ見えた。表情が浮かないところから察するに……まあ重たい話でもするんだろう。ついて行きたいのは山々だが、私が来た所で所詮出来ることなんて限られている。大人しく身を引こうという結論に至ったのだ



『お兄ちゃんなら大丈夫だよ。自信もって』

「……あぁ」




励ましてやれるのもこれくらいだ。私の経験談も踏まえもっと深く掘り下げたいけど、余計な事をペラペラ話せば小学生かどうかも疑われる。このお年頃ってそこまで死生観成り立ってないよね？多分。


そんな訳で、今日は帰ります。バイバーイと無邪気に手を振っては駅のプラットホームへ歩を進めた




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下校中の話だ。唐突に甘いフラペチーノが飲みたいと思った。誰かさんの甘いもの巡りに散々付き合ってたせいで私自身も糖分を欲するようになる



電車に揺られる中某スタバの看板を発見し、釣られるがままに電車を降りる。まだここは人の往来が多い中心街。小学生1人で立ち寄るのも気が引けるが、精神大人だし多分大丈夫だろう。そんな軽い気持ちで夕暮れの街へ足を踏み入れた。



『何にしよっかな〜』




──心弾ませていたのだが、とある路地裏の前で立ち止まった。


薄暗い路地の奥に……嫌な気配を感じ取る。


こんな時だけ嫌に冴える勘は、面倒なことを持ち込むものだ。




『……ほらぁ、やっぱり』



少し顔を覗かせれば、やはり"呪霊"の姿が見える。相変わらず悍ましいねぇ。呪いは人口に比例し、賑やかな歓楽街ほど呪霊は集まるもの。呪力を持たない一般人…所謂非術師に呪霊は目視できないのが不幸中の幸いといったところか……騒ぎになりたくはないし。

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