その2 ページ3
上京──。
禪院家とは随分違った景色。聳え立つ建物も根元からぽっきりと折れてしまいそうなくらい高い。人通りも多く、皆が忙しなく歩いている。京都とはまた違った雰囲気を漂わせた街……東京。
都市部から更に離れた山奥へと向かう。先程まで見ていた光景が幻のようだ。本当に同じ東京なのか疑うくらい静かで落ち着いた場所
私は、今日からここに通うんだ。これで寮生活も出来る。陰気臭い家とも暫く離れられる
『〜っ自由だ!!!』
心の底から出た本音。何とも言えない開放感
もういっその事、家に帰らずここでずっと暮らしてしまおうかとも思う。その方が幸せだろう
教室には席が4つしかない。呪術を扱う者など少数派に過ぎないのだから、当然の話である。机には名前プレートが置かれていた。しばらくの間はそこが定位置になるのだろう
『禪院なのに…一番端っこか』
そして隣には"五条 悟"の文字。ジジイが言ってた五条家の人間だ。ほんの少しだけ興味が湧く……一体どんな人なんだろう、あわよくば皆で仲良くやっていきたいな…
けれどそんな淡い期待は、ものの数秒で爆ぜた
「よーう、禪院家の捨て駒ってお前?」
教室に入ってくるなり、挑発的な言葉を投げかける。グラサンに白髪に長身。こいつが五条悟だとすぐに察した
荷物を床に放り投げ机に足をかけて座った。幾ら顔が良くてもこれじゃあ全てが台無し…第一印象は最悪だ
そして何よりも、初対面で侮辱された事が腹ただしい。ふつふつと怒りが込み上げる
『………アンタが五条悟か』
「あ?」
『……アンタに勝てば、親族の奴らもひっくり返るだろうな。
表出ろや。私と勝負しろ』
売り言葉に買い言葉。私もまた挑戦的な笑みを浮かべ、奴を睨みつけてやった
・
「ちょっと君達、入学早々喧嘩は良くない」
私達の間に割って入る青年。名前はまだ知らない
「君、女の子を傷つけるような言葉を言ってはならないよ」
「うるせぇ。邪魔だ前髪」
「そこの君も、少しは落ち着いた方がいい」
『しゃしゃり出んな。邪魔だ前髪』
「なるほど、君達が私など眼中に無いことはよく分かった」
その後ろには煙草を吹かし面倒くさそうにこちらを眺める女の子。気づけば、一年生が全員集まっていた
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美桜(プロフ) - 更新して欲しいです!!TT (9月15日 0時) (レス) @page1 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
おろし(プロフ) - はじめまして!!こんなに面白い作品をありがとうございます!あっという間に読み終わってしまいました。欲を言うなら続きがとても気になります、、ご無理のないように応援していますね! (2022年10月19日 6時) (レス) id: 47520b13da (このIDを非表示/違反報告)
みのり - はじめまして、とっても面白いです!シリアス展開…渋谷事変かな?これからも作者さんのペースで更新頑張ってください、応援してます! (2022年2月12日 20時) (レス) @page19 id: fa90cdb483 (このIDを非表示/違反報告)
Siitake(プロフ) - 反応遅れて申し訳ございません。わざわざこんなっ1頁も使って紹介して頂いた上にURLまでありがとうございます。これからも応援します(๑✧ω✧๑) (2022年1月22日 1時) (レス) @page19 id: 01565e1f6d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - Siitakeさん» ありがとうございます!!!是非とも紹介させて頂きます☺️ (2022年1月14日 13時) (レス) id: 131b6cb561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョコ&ピーナッツ | 作成日時:2022年1月5日 23時