その小学生、呪術師ゆえ ２

その10 ページ11

〈主人公 side〉


2年に進級した頃。推薦のおかげでようやく準一級まで階級を上げられた。段々と任務も忙しくなり可愛い後輩も出来て充実した生活を送っている最中




『五条ー！！！！！ちょっと待てぇ！！！』



廊下のど真ん中で叫びながら五条を追いかけるのが、2年の頃の私。その少し先ではゲラゲラと笑いながら余裕そうに逃げる五条の姿があった



『アンタ！！！また私の冷蔵庫のプリン！勝手に食べただろ！？普段そんなに食べないくせに！！！！！』

「頭使ってんだからしゃあねぇだろ？っつーか甘いもんばっか食ってると太るぞばーか」

『あれは！！！灰原君が！！！任務の帰りに買ってきてくれたお土産なの！！！楽しみにしてたのにさいってー！！』

「後輩に良い顔してんじゃねぇよ！男に媚び売り過ぎだろ誑しが！！」

『ぶ っ 殺 す』




今のでカチンと来た。今日という今日はシバき倒す。更に加速しあらゆる障害物を飛び越え、一気に五条との距離を詰める



「……ホント、毎日飽きないよね」

「あれ、実は"自分以外の男から貢がれるのが嫌だ"って言えない五条の心情だって」

「小学生かな。素直になればいいのに」

「お前も人のこと言えないだろ、夏油」



遠くでは硝子と夏油が追いかけっこの様子を鑑賞している。もはや加勢すらしてくれない。五条も簡単に飛んで逃げられるはずなのに術式を使う気配は無い。

よろしい、ならば戦争だ





『……衝戟呪法』

「うっっわバカやめろ！！呪力込めたナイフ投げてくんな！！」


『なら！！！ちゃんと謝れ！！！！』

「俺が買い直せばそれでいいだろ！？」


『………期間限定超濃厚プリンも』

「はいはい、幾らでも買ってやるよ」



半ば脅しだがこれで事は収まった。ようやく足を止め今すぐ買ってくるよう伝えれば、五条は渋々外へ出たのだ



『ったく、毎度毎度人の冷蔵庫勝手に漁るなっての』

「……そもそも悟が君の部屋に無断で入っていることには何も言わないんだね」


それに関しては、もう諦めた。

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