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2人きりになった空間には無言の時間が続いた。
「....まじだから、」
「え？」
その沈黙を破ったのはお酒も入ってないのに顔を真っ赤にした彼の方で。
「あの時は成り行きだったのかもしれない。でも俺は1回で終わりになんて出来ないくらいずっと頭がいっぱいだった、」
ポツポツと話し始めた彼。
「....あの日の夜が未だに頭にこびりついてんの。めちゃくちゃ気持ち良かったから、」
両手で顔を覆いながら、小さな声でそう呟く。
「でも、あれ以来何もしてこないじゃん、」
彼に聞きたかったことを言葉にすると彼は真剣な様子で体を向き合わせた。
「手を出さなかったのは、そういう都合のいい関係だって思われたくなかったからだよ。普通に連絡が来んのが嬉しくて、何回もデート重ねて、会う度にめちゃくちゃかわいいって思うようになって....本気で好きになったから誤解されたくなかった」
私の手に右手を重ね、熱っぽい視線を向ける。
「俺やっぱり、もう1回だけ自分の見る目を信じたい」
その目が嘘を言っているようには思えなかった。
「私、2番目で虚しい思いとか、そういうのもうんざりなの」
「え....」
「気になる人が既婚者とか、体だけの関係とか、そういうのも全部、」
彼の指先をきゅっと握れば、ピクリと体を揺らす。
「信じていい、？」
「信じてよ。捨てられる側の気持ち分かるから、浮気なんて馬鹿みたいなことしない」
頬にするりと手が這って、視線が交わる。
「俺、好きな子には一途だよ」
「....ん、」
「絶対大切にするから俺と付き合ってほしい」
Aの言うように、あの日の夜を間違いだと思いたくなかった。
それは今までの人と彼は違うって思えたから。
だからその優しい言葉を、瞳を、指先を、信じてみようと思ったんだ。
ふかさわの馴れ初め fin.
終わり
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cleam(プロフ) - ひなさん» 大変遅くなり申し訳ないです（ ; ; ）ふかさわのお二人の馴れ初めを投稿致しましたので、もしまだお待ちいただけているようでしたら、お読みいただけると嬉しいです！ (2021年9月21日 19時) (
レス) @page40 id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - お疲れ様です。小説読ませて頂きました！とても楽しかったです！個人的には深澤さんの方の恋の話も気になりました(笑) (2021年6月19日 23時) (レス) id: 40a9c90c6e (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - お風呂場の狸さん» お勉強お疲れ様です！！少しでも気分転換になれて嬉しいです（ ; ; ）あまりご無理なさらないようにお気をつけ下さい....！ (2021年1月13日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - 勉強疲れでしんどすぎて久々に小説をみよう……と思い読みはじめたのですが心が浄化されました……ありがとうございます……最後泣きながら読みました……本当にありがとうございます……( ；∀；)( ；∀；)( ；∀；) (2021年1月13日 4時) (レス) id: 2489012008 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ふかやのねぎさん» コメントありがとうございます！とにかくジェットコースターみたいな感情の揺さぶられ方を目指したものだったので、驚かせてしまったかもしれません(._.)いわもとくんのお話も、またちょっと掴みのテイストが違いますが、是非読んでいただけると嬉しいです！ (2020年12月14日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2020年12月7日 0時
