何度でも、君と。【青】

＿＿＿＿６ ページ6

You side.







なんか、ふわふわする、


久しぶりにこんなに酔ったかもしれない。








辰「じゃあ2軒目行きますかぁ！」




実「行くぞ〜！」




亮「今日はもうやめとこ？」




辰「俺は飲みの帰りにカラオケに行かないと締まらないタイプなの。だからカラオケに行くの。」









ふっかとみーこが盛り上がっているけど、正直それどころではない。


酔いが足に来ている。


店の外に出ると少しひんやりとした風が頬を掠めた。









飲みすぎた、









実「A〜カラオケ行くぞ〜！」




「や、ちょっと私パス、」




辰「えぇ〜！なぁんで！」









フラフラの足取りでその場を離れようとすると、渡辺が声を上げた。









翔「俺もパス。」




辰「えー！しょーたいないとカラオケ盛り上がらんじゃぁん！」




翔「また今度な。」




辰「なーんでぇ、」




翔「俺、コイツ送ってくから。」









グイッと腕を掴まれ引き寄せられる。









「え、」









引き寄せられたまま、彼に体を預けるとふっかに冷やかされた。









辰「おぉ〜？翔太ぁ、男だねぇ〜？」




翔「お前送るよりこっちの方が静かだからな。」




辰「とかなんとか言って〜送り狼になんなよ〜？」




翔「うるせぇ酔っ払い。早く行け。阿部、あと頼むわ。」




亮「うん、任せて。じゃあまたね！」









そう言ってヒラヒラと手を振ったあべちゃんたちと別れ、帰路についた。






.






さり気なく繋がれた右手。


意外と大きくて温かい手に緊張して、家の前に着いてすぐにパッと手を離した。









「ごめん渡辺、ここで大丈夫。」




翔「はぁ？んなフラフラのくせに、はいそーですかじゃーね、なんて言えるわけねぇだろ。部屋どこ？」




「でも、」




翔「何？送り狼のこと気にしてんの？」




「っ、いや、そうじゃなくて、」









もう一度掴まれた腕。









翔「好意がありゃいーの？」




「え、？」




翔「.....俺はまだ一緒にいたいけど。」









交わった視線。


掴まれた腕が熱い。









翔「....何でこんな体熱いの？」




「飲んだから、」




翔「本当に酒だけ？」









ダメだ、


何も答えられない、









翔「....これ、送り狼になる？」









ジッと捉えた瞳は私の心を見透かす。









「....なんない、」









私は彼の袖をキュッと掴み、上目遣いで応えた。





.

＿＿＿＿７→←＿＿＿＿５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す