＿＿＿＿２７ ページ27
You side.
「お父さ〜ん！お母さ〜ん！」
新幹線の駅の改札前。
大袈裟にキャリーケースを引いた両親に手を振る。
人混みを掻き分けるようにしてやってきた両親は少しだけ嬉しそうだった。
母「都会は人が多いね〜！」
父「お母さん人が乗ってくる度にはしゃいじゃって大変やったよ。」
「前東京住んでたじゃん。」
母「あれはあんたの高校の時だけやろ？ほぼ記憶ないもん。それよりお母さんねぇ、スカイツリー行きたいんよ〜」
「分かった分かった。チェックインしたら行こうね。」
.
チェックインの手続きを終えてルンルンの母の背中を見つめながら歩く東京の道。
母「彼氏さんはなんて名前やったっけ？」
「翔太。」
母「翔太くんね〜かっこええ？イケメン？」
「....うん、かっこいいよ。」
母「はよ会いたいわ〜」
「ねぇ、お母さんずっとこんななの？」
父「休み決まった日ぃからずっとこんなんや。」
どんだけ楽しみだったの、なんて思いながらお父さんと話をしていると、前を歩く母がドンッと音を立てて全身黒い服を着た男性にぶつかった。
「も〜なにしてんの！」
ヨロヨロとよろけた男性に謝罪の意味を込めて会釈をしながら母に駆け寄った。
「お母さん、はしゃぎすぎ〜ちゃんと前見て歩いてよ、」
その時、ようやく異変に気が付いた。
声を掛けた母は、いつもの明るい笑顔を見せる事なく、ズルズルと力なく倒れていく。
「お母さん、？っ、お母さん！！」
通行人の甲高い叫び声が響き渡る。
駆け寄った私を見た黒い服の男が刃物を向け勢いよく走ってきた。
この人が、
頭では��逃げなきゃ��と思っても、体が動かない。
そんな私を庇うようにして父が覆い被さった。
.
耳元で聞こえる、父の断末魔のような叫び。
振動で分かる、何度も繰り返し突き刺さる感覚。
目の前で起こった出来事を飲み込めないまま、呼吸の仕方が分からなくなった。
「しょう、た、」
いきなり空気がなくなったみたいに苦しくなる。
私は、無意識に彼の名前を呼んでいた。
バタバタと逃げ回る通行人。
近くでゲラゲラと笑う男。
どうか、夢であってほしい、
そう願いながら、抱きしめる力が次第に弱まっていくのと同時に、私は意識を手放した。
.
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cleam(プロフ) - ひなさん» 大変遅くなり申し訳ないです（ ; ; ）ふかさわのお二人の馴れ初めを投稿致しましたので、もしまだお待ちいただけているようでしたら、お読みいただけると嬉しいです！ (2021年9月21日 19時) (
レス) @page40 id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - お疲れ様です。小説読ませて頂きました！とても楽しかったです！個人的には深澤さんの方の恋の話も気になりました(笑) (2021年6月19日 23時) (レス) id: 40a9c90c6e (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - お風呂場の狸さん» お勉強お疲れ様です！！少しでも気分転換になれて嬉しいです（ ; ; ）あまりご無理なさらないようにお気をつけ下さい....！ (2021年1月13日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - 勉強疲れでしんどすぎて久々に小説をみよう……と思い読みはじめたのですが心が浄化されました……ありがとうございます……最後泣きながら読みました……本当にありがとうございます……( ；∀；)( ；∀；)( ；∀；) (2021年1月13日 4時) (レス) id: 2489012008 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ふかやのねぎさん» コメントありがとうございます！とにかくジェットコースターみたいな感情の揺さぶられ方を目指したものだったので、驚かせてしまったかもしれません(._.)いわもとくんのお話も、またちょっと掴みのテイストが違いますが、是非読んでいただけると嬉しいです！ (2020年12月14日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2020年12月7日 0時
