何度でも、君と。【青】

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You side.







目が覚めると、隣に彼の姿はなかった。


丁寧にかけられた布団から出てリビングに向かうと、テーブルに小さなメモがあることに気付いた。






仕事に行ってきます。

気持ち良さそうに寝てたから起こさないで行くね。

合鍵、置いときます。

いつ来てもいいよ。







走り書きのメモと共に置かれた銀色の鍵。


それを手に取った私は、少しだけ緩みそうになる頬を押さえながら、最後の一文の余韻に浸った。









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それからその合鍵を使って何度も行き来したり、休みの日にはデートを重ねたり。


お互い忙しいなりに10分でも時間を作って顔を合わせたりと、いかにも順調な日々を過ごした。


あまりに幸せすぎて、浮かれている自分に少し恥ずかしくなりながら仕事終わりにスマホを開く。




そこにはメッセージと着信が1件ずつ入っていた。








メッセージは母からだった。







お母さん元気?ちゃんとご飯食べてる?次はいつ帰ってくるのかなって思って連絡しました。

A今仕事終わったよ。元気だし、ご飯もちゃんと食べてる。暫くは連休取れないしそっちには行けそうにないかも〜









送信するとすぐに既読が付いた。









お母さんお母さんAが帰ってくるの楽しみにしてたのに〜









忙しいと言う理由で、ここ何年も帰省していない。


親不孝者だと言われてしまったら、何も言い返せないくらい顔を合わせていないのだ。









お母さん彼氏は出来た?









さすが母。


離れていても分かってしまうんだろうか。


勘が鋭い。





ここでようやく、誰にも報告していないことに気が付いた。









Aうん。









気恥ずかしくて短めのメッセージを送る。









お母さん良い人?

Aうん。私には勿体ないくらい。









いいね！いいね！とはしゃいだスタンプが送られてくる。









お母さん今度お父さんと休み合わせて観光がてらそっちに行くから会わせてくれる?未来の旦那さんに!









「えぇ！？お母さん何考えてんの....」









困惑しながらも、彼に聞いてみるね、とだけ返信した。





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