◇ ∞学園軟式テニス部顧問。 (ページ31)

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ここは、 siDe 貴方ページ31

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無我夢中で走り続けて、

気がつけば、いつもの場所。

父さんが死んじゃったときも、

テニスを忘れようと誓ったときも、

いつもこの場所で泣いてたな.. 。

ここは小さな小さな公園で

少し小高い所にあるから、街が見下ろせる。

夜になれば、星はきれいで夜景もきれい。

「父さん、私辛いよ。」

「父さんは辛い時、どうしてたの？」

「私.. ｯ、顧問にむいてないのかなぁ .. ｯ ?」

いくら問いかけてみても返事がくるはずない。

「もう..ｯ ... どうしたらいいの .. ? 」

涙がこぼれ落ちないように

空を仰ぐふりをしたけど、

溜まった涙は溢れ出る。

顧問をやるキッカケをくれたのも、

お前すごいなって言われて一番嬉しかったのも、

全部、渋谷なの。

だから、余計に悲しかった。

本当に嬉しかったのに ..

錦「ここ、ええ場所やな。」

物思いにふけっていると、急に声をかけられて

かなりびっくりして反射的に体が相手の方を向いた。

錦「ごめんごめん、走ってったから.. なんかほっとかれへんくなって ...」

泣きぼくろをボリボリかきながら
うつむいてそう言った。

「いつから？」

錦「 .. 父さん、のとこから」

「そっか.. 恥ずかしいところ見られちゃったな」

ふふっと笑って涙を拭う

人に涙なんか見せてられない。

錦「ええんとちゃうの？別に、」

「何がー？」

錦「泣くの。我慢せんでもええんちゃう？
もう、よう頑張ったやん、(人1) 。」

そう言われて、せき止めてたモノが一気に流れ出した。

「 ... ｯ、バカ ..ｯ！」

私はしゃがみ込んで、今までの全てを流し出すように

声を上げて泣いた。

その間、ずっと錦戸は私の背中を撫でてくれていた。

錦「大丈夫か ? 落ち着いた ?」

私が泣き止んできた頃に、
優しく声をかけてくれた錦戸

「うん、大丈夫 ..」

ゆっくり立ち上がって、笑いかける。

でも、心からは笑えなくて

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