＿ ページ5
.
「嘘。目泳いでる」
その間も何度か鳴るインターホン。
「....しつこ。あ、ちょうどいいや。ここ呼ぶ？それで『私の彼氏に何か用ですか？』って問いただしてあげよっか」
「バカやめろって、」
��応答��のボタンを押そうとする彼女の手をグッと掴んでその行動を阻止すると、今まで見たことがないくらいの冷たい視線を俺に向けた。
「都合の悪いことでもあるわけ？」
「....ねぇよ、別に」
「じゃあいいじゃん」
俺の手を振り解いた彼女はその勢いで応答のボタンを押してしまった。
「あー帰っちゃったぁ」
モニターの先にはもう誰もいなくてエントランスだけが映っていて。俺はホッと胸を撫で下ろした。
「まぁいっか。だってただの生徒なんだもんね？」
「....当たり前だろ、」
「じゃあいいよ」
満面の笑顔が逆に恐怖を煽る。
なんとかその場をやり過ごした俺は、何事もなかったかのようにさっき淹れたコーヒーに口を付けた。
そして数十分後、メッセージを告げる通知音が一度だけ鳴る。
「誰？」
彼女はまた冷たすぎる視線を俺に向けた。
恐る恐るスマホ取り出しながら聞こえないふりをすると、彼女はもう一度「誰？」と聞き直し��誤魔化す��という逃げ道を塞いだ。
「....さっきの、生徒、」
そして彼女は俺のスマホを奪い取り、ジトッと不機嫌そうに画面を眺めた。
「《合格してました。先生のおかげです。ありがとうございます。》ふーん....？」
俺たちは今まで運良くメッセージでのやりとりをしておらず、Aからのメッセージはこの連絡のみ。
このまま黙っていれば彼女に怪しまれることはないはず。俺はそのまま口を噤んだ。
「今回はそういうことにしておいてあげる」
スマホを返されてホッと胸を撫で下ろすと、彼女は続けて冷たく言い放った。
「その子、ブロックしといたから」
「は....なんで、」
「何で？そんなの決まってるじゃん。やりとりする必要がないから。
ブロックを解除することも可能だったけど、下手に刺激してAに危害が及ぶかもしれないと考えれば、解除は少し先まで伸ばさざるを得なかった。
「裏切ったら許さないから」
彼女の低い声に心臓が冷たくなった気がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - 彩海さん» お返事が遅くなり申し訳ないです....！楽しんでいただけたようで、本当に嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます（ ; ; ）現在連載中の作品など、他の作品でも楽しんでいただけたら嬉しく思います！ (2021年11月29日 23時) (
レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
彩海(プロフ) - 苦しいくらいぎゅんぎゅんさせていただきました……。cleam様の書くお話は全て苦しいです！！(もちろんいい意味です)完結お疲れ様でした、今後もお世話にならせて頂きます、笑 (2021年11月17日 22時) (レス) @page49 id: b8d91d7ead (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - つばささん» わー！よかったです（ ; ; ）幸せになるシーンが少なかったので、短いながらにお届けしてみました....！楽しんでもらえて嬉しいです（ ; ; ） (2021年11月13日 21時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - にゃー！甘々すぎて胃もたれしそうです…♡(略：最高です♡笑)更なる幸せそうな二人まで書いて下さって心がホッコリしました♡本当にお疲れ様でした(^^) (2021年11月11日 23時) (レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - センさん» ありがとうございます！続きをと仰っていただけることがとっても有難いです（ ; ; ）ただもう残りページがほぼないので超短編になりそうですが、なんとなく浮かびそうなのでまた出してみますね＾＾気長にお待ちいただけたら幸いです！ (2021年11月8日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年10月25日 22時
