(21):奪ってください。 ページ21
.
慧くんが、おかしい。
いつからとは明確に言えないんだけど、絶対におかしい。
まず言えるのは、あのほっそい身体がまた一段と細くなったこと。身体を重ねる度に、身体から丸みがなくなっていて心配になる。
そしてもうひとつ気になるのは、何故かいつも違うシャンプーの香りをさせていることだ。
昨日も彼を家に呼んでいたけど、彼から香ったのは甘い女性もののシャンプーの香り。
しかも昨日はいつにもましてぼんやりしていて、料理をしている途中に火傷までしていた。
心配だ、すごく心配。
今夜はバーでのバイトだと言っていたから、仕事を早めに切り上げバーに向かう。
こないだのように慧くんを驚かせないように、一応連絡はいれておいた。
「こんばんは、慧くん」
「あっ、いらっしゃいませ、中島さんっ」
扉を開けば嬉しそうにかけよってくる可愛い天使。
しかし気になるのは、視線の隅にうつるあの例の代議士のおっさん。
また、あいつがいる。
俺がバーに行けば、最近いつもいるあのおっさん。
でっかい声で慧くんを呼んで、馬鹿みたいに酒を飲んで。一応お偉いさんだから、マスターも強くは言えないみたい。
あのおっさんの行動で何より気に食わないのは、俺に見せつけるように慧くんにボディタッチをすることだ。
慧くんも慧くんで逃げないから、それとなく聞いてみたこともあるけどいつも誤魔化された。
もしかして慧くんの異変とあのおっさんが関係あったりなんて、俺も勘ぐってるわけでして。
今日もいつものカウンター席に座りながら、それとなくおっさんの様子を伺ってみたりしてる。
「やあやあ、中島くん、元気ー?」
「あ、どーも、元気ですよ」
ひとりで黙って酒を飲んでいれば、隣に腰かけるのは常連の某株式会社の社長( 俺の飲み仲間のね )。今日はやけに、俺に絡んでくる。
「ちょっとお、中島くん聞いてよお」
「え、何ですか急に」
「今朝女房に逃げられた」
「え、まじすか、なんで」
「いやあ、それがさあ、」
俺が社長の話に気を取られ、おっさんから目を離したこの時に、慧くんの身に危険が迫っていたなんて知る由もなかった。
473人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こさこ(プロフ) - ぴあまいさん» それと、ついったーさんのことは教えていただきありがとうございます(><) 鍵垢様のリプライはみれないのですね…。ちょっといろいろ考えたいと思います!ありがとうございます(_ _) (2017年3月30日 15時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
こさこ(プロフ) - ぴあまいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてほんとに嬉しいです!わたくしもぴあまい様のお話いつも楽しませていただいてるので、応援しています! (2017年3月30日 15時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあまい(プロフ) - そして、リプライを見れないというツイートをお見かけしたのですが鍵垢からのリプライだとフォローしないと読めないんだとおもいます( ; ; )余計なお節介だったらすみません( ; ; )DMお送りすることが出来なくこちらで失礼します。これからも応援してます! (2017年3月30日 15時) (レス) id: 9bda90e388 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあまい(プロフ) - 初めまして、ゆといの厨のため楽しみに読んでおりました!スピンオフも次回作も楽しみにしております!それと、Twitterの方フォローさせていただきました。よろしくお願いします! (2017年3月30日 15時) (レス) id: 9bda90e388 (このIDを非表示/違反報告)
こさこ(プロフ) - ぺこさん» コメントありがとうございます。わたくし以前にぺこ様のゆといのを拝読させていただいてたので、コメントいただけて感激です。これからも頑張りますっ! (2017年3月30日 15時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こさこ | 作者ホームページ:http://ma-no homepage
作成日時:2017年3月22日 16時