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▼ Dream assorted ページ49

inoo.




玄関の、鍵が開く音で目が覚めた。


随分といろんな夢を見てたせいか、頭がすこしふわふわする。




学生になってみたり、エイリアンになってみたり、女の子になってみたり、花屋になってみたり___


とにかくたくさんの夢を見たけど、どの夢の中でも変わらないことがひとつあった。


それは、必ずおれは夢の中で出会う"中島裕翔"に恋をしてたということ。



夢から覚めた現実の世界での恋人と、全く瓜二つの青年に毎回おれは恋をしていたんだ。






「いのちゃん、起きてたの?」




いつの間にかすぐ傍に来ていた気配に顔をあげれば、ちょっとだけびっくりした恋人がそこにいる。


中島裕翔。

同じグループでアイドルをしてて、ずっと昔からおれの隣にいる世界で1番大切な人。




「裕翔、帰ってこれたんだ」


「そりゃ、恋人の誕生日は一緒に祝いたいもん」




モデルの仕事で数日前から海外へ撮影に行ってた裕翔の、

何を言ってるの?とでもいいそうな表情が愛しい。


ああ、おれはこの温もりに飢えてたせいで、あんなにたくさんの夢を見てしまったのかもしれない。

裕翔に会えない寂しさから、夢という幻想の中でもきっと彼を探してしまってたんだろう。




「いのちゃん、改めてお誕生日おめでとう」




目の前に差し出されたのはひまわりの花束。

なんだかデジャブを感じるけど気のせいにしておこう。




「28歳の1年も、俺の隣で笑ってて」




カーテンから差し込む光が、黄色く艶やかな花たちを照らした。


眩しくて目を細めたら恋人も微笑む。




「愛してるよ、誰よりも」


「…うん、おれも、」




あいしてる。




たった5文字の愛の魔法は、いつまでもふたりの胸の中に。



やわらかく抱きしめられた腕の中で目を閉じた。




「やっぱり、本物が1番いいや」




ほろりと零れた呟きは、キラキラ輝く朝日に___








dream assorted

夢の詰め合わせ





どんな君も、愛してる!








【 Dream assorted 】








fin.

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作者名:こさこ | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2018年6月13日 21時

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