Dream assorted yt × in (( HBD短編集 )) (ページ48)

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fin. ページ48

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「あー、もう、いのちゃんってほんとに最高！」

ようやく離れたその顔は、やっぱり想像してた通りの満足気な表情。

でも、不思議と後悔はしてない。ただ、あーあ負けちゃったって思うだけ。

「裕翔ってほんとにずるい」

「だって恋は、駆け引きですから」

「…そんなに恋愛なんてしたことないくせに」

「そりゃ、いのちゃんに比べればまだまだですよ」

余裕すぎるのが癪に障って憎まれ口を叩いてみたら、割とあっさり流されて腹立たしい。

ねえ、裕翔っていつの間にそんなに大人になってたの？

去年おれのまえで拗ねてみたのももしかして演技？

問い詰めたいことは山ほどあるけど、負けちゃったもんは仕方ない。だっておれはもう裕翔の熱にやられてしまってるんだもん。今更離れられたらどうすればいいのかわからない。

「さあ、今度はいのちゃんの番だよ」

鬱陶しいくらいキラキラ輝く笑顔で裕翔が言った。

「いのちゃんの気持ち、教えて？」

もう逃げらんない。ていうか言うまで逃がしてくれないに決まってる。

「おれは、」

おれは＿＿＿

「裕翔が、好きだよ」

絞り出した自分の声になんだかすごく恥ずかしかった。

でもやっぱり逃がしてくれない逞しい腕は、おれを囲うのをやめて今度は直接おれを絡めとる。

「ふふ、28歳、最初の"好き"をありがとう」

ちょっと嬉しそうに弾む声はきっと演技じゃない。昔と変わらないおれの可愛い裕翔のもの。

「俺もね、いのちゃんが好き」

「知ってるよ、ばか」

「知ってても言いたい。好きだよ、いのちゃん。いのちゃんが好きだ！」

「あー、もう！わかってるてば！」

ぎゅっと強く抱きしめられたら、心に大きな花が咲いた。

秘密の3分間はもう終わりだけど、これからは恋という名のこの花を一緒に育てていこうね？裕翔。

【君と秘密の3分間】

( Today is special happy birthday ! )