Dream assorted yt × in (( HBD短編集 )) (ページ5)

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fin. ページ5

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「お風呂ありがとう～」

ふわふわした君が俺の部屋に入ってきた。

貸してあげたスウェットは、華奢な身体からすこし肩が落ちている。

「映画何見る？いのちゃん選んでいいよ」

「んへへ、やったあ」

溢れそうだった"何か"を堪えたまま時間を過ごして、気を紛らわすためにすすめたお風呂は逆効果だったみたい。

俺を馬鹿にするいのちゃんの匂いが消えちゃえばいいって思ったのに、全然消えてなくてむしろ香りが強くなった気がする。

ああこれはもう駄目だと思った。

俺は本能レベルでいのちゃんに惹かれてるんだ。

「ねえ裕翔、これがいいな」

とろんとした気の抜けた声は学校じゃ聞けないもの。

「シーズンワンは大ちゃんたちとみたからセカンドからみたい」

もしこの声を他の誰かが知ってたとしたら、すっげえ嫌だって思う。

だから、

だから＿＿＿

「いい？裕翔」

聞いた君が可愛くて、返事のかわりにキスをした。

「へ、…ゆ、ゆうと、？」

「なあに？いのちゃん」

驚く君には知らんふりで隣に座った薄い肩をゆっくりベットに押し付ける。

「な、なにって、ゆうと、え？」

「なんでそんな驚くの。チュウくらい友達でもするでしょ？」

「す、するの？」

「うん、するする」

テキトーな言葉を並べて本能のままに顔を寄せれば、戸惑いながらも君は目を伏せた。

ねえ、いのちゃんもきっと本能レベルで俺に惹かれてるだよ。

じゃなきゃ流されてキスなんて許さないでしょ？

「もっと、くっつきたいな」

甘えた声を出してみれば、胸についてた腕が首にまわる。

もっともっと深く口付けたら、きゅんて鳴った胸の音に見えなかった心がクリアになった。

そして気づいた。

ああ、俺は今恋に落ちたんだ。
正真正銘に、いのちゃんのことが好きになったんだ。

ってことに。

ストンと落ちた心の答えはまだ君には秘密。

止まらない衝動はそのままに。

「今日からいのちゃんの隣は俺ね」

囁きかけた耳の赤さは見間違えなんかじゃないから。

遠慮なんてしないで、その真っ赤果実に噛み付いた。

【今、恋に落ちる。】

( 8 days to go until birthday ! )