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「ごめん、おれすげえ悔しい」
「へ?」
「中島くんはこんなにキラキラしててカッコイイのに、やる前から無理とか決めつける社長とか許せない」
だってそうじゃん。おれはこんなに中島くんのキラキラオーラに力貰ってるのに、何が無理だよ。きっと中島くんなら世界中を虜にできるに決まってる。
なあほんと、中島裕翔舐めんなよ?すっげえんだから。絶対誰にも負けないんだから。
止まらない気持ちは素直な言葉になって、ふたりきりの小さな部屋に響いた。
言いたいことはいっぱいあって、中々止まらない。
「大体、こんな綺麗な顔は滅多に居ないんだから大事にするべきなのにさあ。わかってないな本当に」
「あ、あのっ」
ほんとはもっと言いたいことはあったのに、それを遮ったのは目の前の彼だった。
「え、なに?」
「もう、その、大丈夫です、…てか恥しい!伊野尾さん褒めすぎだし!」
「そんなことないよ、事実だもん」
「…っ、それがずるい」
さっきまで青白かった頬はほんのりとピンク色にそまってる。
「何がずるいんだよ?てかなんか顔赤いよ?熱でも出てきた?」
「ち、違いますよ。つかこれは伊野尾さんのせい」
「え?おれ?」
「もう、これだから無意識はたち悪い」
ちょっと拗ねたように頬を膨らましたその顔は、さっきまでよりはずっといい顔をしていた。おれのせいってのはよくわかんないけど、中島くんがすこしでも元気になったんならまあいっか。
「俺、やっぱりもう1度ちゃんと話してみます」
そう言った、彼の瞳にはもう迷いはなかった。
「伊野尾さんがここに居るから、俺、頑張れると思う」
最後は、とびっきり嬉しいおまけをつけて。
「うん、頑張れ。誰よりも応援してるから」
「っ、ありがとうございます」
ぎゅっと手を握ってもう1度抱きしめたら、大きな身体がぴくりと跳ねた。
真っ赤に染まった彼の耳の意味はまだ知らない。
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作者名:こさこ | 作者ホームページ:http://ma-no homepage
作成日時:2018年6月13日 21時