Dream assorted yt × in (( HBD短編集 )) (ページ32)

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【シークレット】

お忍びのデート。誰にもバレたらいけない行為に背中がゾクゾクするよ。

でも、すこし臆病な君には刺激が強すぎたみたい。それでも俺は止まらないよ？今日は目いっぱい君との休日を味わいたい。

「裕翔く、っ、手、手っ！」

「いーじゃん、誰も見てないよ？」

汗ばんだ手を握って、ずんずん進む夏の夜。君の焦った声は華麗にスルーで、人が群れる屋台の間をすり抜ける。

「サングラスしてるし、バレないって」

「そ、そうかもだけど、万が一…」

君が自信なさげに俯いてしまうのは、俺がアイドルだから？それとも、君が"男"だから？

きっと理由は両方だね。
でも俺はバレたらバレたでいいと思うんだ。

だって、"男"ならそれなりの言い訳もできる。それは彼を傷つけるためじゃなくて守るための嘘。

アイドルの恋人だからって世間に公表なんてする必要ない。知ってる人さえ、例えば俺のメンバーとかが知ってればそれでいいんじゃないって俺は思うよ。

君を守るためならなんだってする。

でも、それでなにかを我慢するのは少し違う気がするから＿＿＿

「いのちゃんは、何も気にしないでいいよ」

俺を信じてついてきて？

「普通の恋人みたいに遊ぼうよ」

そのための予防線なんてとっくのとうに張り巡らしてるんだから。

「あ、花火だ」

ヒューって音が聴こえたら、大きな光が闇に散った。俺の指先を辿って上がった君の顔にも俺とお揃いのサングラス。

「ほんとだ、綺麗…」

一瞬、全てを忘れたようにほうっとため息をついた君に恋をした。今日も明日も世界で1番キラキラしてるのはたぶん君。

「、いのちゃん」

ただ、名前を呼んだだけ。振り替える君の唇が弧を描く。

「ありがと、裕翔くん」

何に対してのお礼かなんて俺にはわからなかった。考える余裕もなかった。

だって、唇に、やわらかいあの感触がふれたから。

「え、え？！」

驚く俺に君は笑った。そしてさっきは必死に隠そうとした、指先にきゅっと力がこもる。

「今日は、普通の恋人なんでしょ？」

吹っ切れたような恋人は花火の下で、カラフルな光に照らされた。

ああ、やっぱり俺の恋人は、世界で1番美しい。

【アイドルくんの恋】

to be continued…？

( 3 days to go until birthday ! )