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yuto.
いつも隣の隣で笑ってたいのちゃんが気になりだしのはいつからだろう。
5人グループの端と端の俺と君。
いつだって俺らの間には山か大ちゃんがいて、時にはヒカを挟んで過ごしてたね。
俺の親友は山だし、いのちゃんが仲良いのは大ちゃんとヒカ。
例えばふたり組を作る時だって、俺と君は一緒に組んだことはなかったんだ。そんな過去もあった。
でも、どうしてだろう。
ちょっとしたボケだとか俺のくだらない悪ふざけとか、いつも乗っかってくれるのは君だからいつの間にか無意識のうちに君を求めてたのかな。
ふとした時間、ぼんやりした君を見た時、
俺はするりと君に近づいて、ずっと触れてみたかった薄っぺらい肩を抱いてみたんだ。
そしたら不思議と違和感がなくて、やっぱり山ほどの安定感はないけどなんかすごく調子が良かった。
いのちゃんはいのちゃんで不思議そうな顔で俺を上目遣いに見上げたけど、結局何にも言わなくて、
俺だけがその上目遣いにドキドキさせられたんだ。
それにね、俺といのちゃんがくっついてると、女子たちがなあんか嬉しそうに俺らを見るんだよ。
だからその反応を見るためって言い訳をして、俺はどんどんいのちゃんに近づいていった。
だって彼も女の子ウケがいいこと大好きだから、乗ってくれないわけがないんだもん。
「最近ゆうてぃさ、いのちゃんに構うよね」
たまたまふたりにきりになった昼休み、いちごミルクのストローをくわえたままの山が言う。
にやにやした顔でのぞき込む顔がちょっと癪に障るから、平然をよそおってあくまでドライに言葉を返す。
「あー、それは女子ウケ」
「ふーん？」
「ふーんて、何よ」
いつも通りの言い訳。そろそろ通用しなくなってきた。でも、彼を求めるのがやめらんない。だってあの心地良さを知ってしまったから。あの甘い匂いを知ってしまったから。
「なんかさ、いのちゃんっていい匂いするじゃん」
山の無言に耐えられなくなってボロりとでてしまった言い訳にもならない言い訳。
でも、呆れたような視線を向けた親友は最後に知ってもどーしようもないことを教えてくれた。
そんなこと言われても否定も肯定もできないのに。俺の頭をぐるぐるさせる言葉を吐いて彼はひょいっと立ち上がる。
『人って、無意識に求めてる人にはフェロモン感じてるからいい匂いだって思うんだって』
なあ、山、それ聞いて俺はどうすればいいわけ？
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作者名：こさこ
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2018年6月13日 21時
