唯一無二な貴方を食べたい yt × in (( 短編 ))

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「うまっ、いのちゃん料理できたんだ」



「おれの女子力なめんなよっ」






ふたりしてワイワイと、いのちゃんの作ってくれたご飯を食べる。



またいのちゃんの意外な一面を発見。料理が上手だなんて知らなかった。





「ゆーと、今日はありがとね。楽しかった」



「それはこちらこそだよ」





いつの間にか撮影のことは忘れてて、本気で楽しんでた俺らふたり。



いのちゃんと、こんな風に過ごせるなんて思ってなくて、正直びっくり。





ずっと不思議な人だと思ってた。



ふわふわしてて、どこか遠い人だと思ってた。





でも、違った。この目の前の笑顔はこんなに近くて、こんなにもあたたかい。



なんて、そんなこと言ったらいのちゃん照れちゃうかな。






ご飯を食べ終え、一緒に食器を洗い、並んでソファに座ったいのちゃんが切り出す。






「えっとね、お礼といってはなんだけど、ゆーとにピアノ弾かせてくれる？」



「ご飯まで作ってくれたのに… 、ありがと、いのちゃん」



「今日はいっぱい楽しませてもらったから」






にっこり笑って、リビングの隅にあるピアノに向かういのちゃん。



綺麗な白い指が鍵盤を走って、やわらかい音を奏でる。




真剣で綺麗な横顔が、真っ直ぐなその背筋が、ふわふわ揺れるやわらかい髪が、おれの心を優しく揺さぶる。





ねえ、なんだろうこの気持ち。





甘くてあたたかくて、ちょっと苦しいこの気持ちを俺はたぶん知ってる。





「ゆーと、どうだった？」





ふわりと俺に微笑みかけるその笑みが、たまらなく綺麗で。





あなたを知った一日に、あなたをもっと知りたいと思った一日に、俺はあなたに恋をする。







(( モシモノふたり fin.

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