. ページ15
.
さんざん海でいちゃいちゃした俺たちは、いつのまに暮れた空の中、陸へとあがった。
「ゆーと、つかれたあ」
そりゃ、あなた、海の中であんなことやこんなことしたんだから仕方ないでしょ。
なんて言って、もうちょっといじめてやりたいけど、ほんとに疲れきった様子のいのちゃんが可哀想なのでやめとく。
「でも、海にきてよかったでしょ？」
いじめるかわりに、タオルで身体を拭きながらシートにぐったり座りこむいのちゃんの耳に囁きかける。
そしたら素直に頷くもんだから、可愛いなんてもんじゃない。
「じゃ、そろそろ帰ろっか」
きっと山も大ちゃんも戻ってきてるはずだから。
相変わらずぐったり座るいのちゃんに、手を差し伸べる。
「………………ないね」
「え？」
「…まだ、帰りたくないね」
耳を疑ういのちゃんの発言。
ほんと、なんでこんな可愛いこと言うかなあ。俺だって帰りたくないに決まってる。
でも、帰らなくちゃ駄目なんだ。俺たちはアイドルで、この世界から逃げることなんてできないんだから。
なんだか胸が苦しくなって思わず眉を寄せると、いのちゃんはふっと微笑んで、俺の手を掴み立ち上がる。
「そんな顔すんなよ、ゆーと」
「だって…」
「わかってるよ、今のはおれが悪かった」
ごめんごめん、なんて言って、俺の頭を撫でるいのちゃんは、悔しいけどやっぱり年上で。
されるがままに撫でられていると、ふいにいのちゃんが俺の手をひいて走りだす。
「ちょ、なに、」
「いーから、いーからっ」
砂の上を裸足でパタパタと走り、人気のない岩場までくると、ぱっと腕が離された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こさこ(プロフ) - ユーノさん» コメントありがとうございます。ホテルでのいちゃいちゃ、いつか書けたら書きたいです(^^) (2017年4月22日 21時) (
レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
ユーノ(プロフ) - こさこさん» そして1番好きなのは2人が海に向かってお互い「大好きだ」を叫んだシーンです。日本じゃいくらやりたくても出来ないこと海外だからこそできて、こんなシーンいいですね。。個人的にホテルで2人が海でいちゃいちゃした続きやらないのかなって思ったりします^^ (2017年4月21日 8時) (レス) id: d3600d992a (このIDを非表示/違反報告)
ユーノ(プロフ) - こさこさん» 今日真剣SUNSHINE読みました。こんな子供ぽい裕翔可愛いですね。どんだけいのちゃんと海に行きたいんだよ！いのちゃんの水着まで用意した上にサンクリームまで用意したとは準備が良すぎ！こんな彼氏を持ついのちゃんが羨ましいくらいです。 (2017年4月21日 8時) (レス) id: d3600d992a (このIDを非表示/違反報告)
こさこ(プロフ) - ユーノさん» コメントありがとうございます。わたくしも実はこのお話がとても気に入ってまして、そう言っていただけてとっても嬉しいです。ふたりだけで、ふたりなら、そういうゆといの、いいですよね(^^) (2017年4月15日 21時) (レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
ユーノ(プロフ) - はじめまして。今シークレットトレイン読み終わったばかりです。すごく心に何かが刺さった気持ちです。2人にりになるために何もかも捨てりる裕翔と慧。。ふたりぼっちになっちゃうけどあなたと一緒なら幸せ。。なんか切ないけど好きです。すごい好きです。 (2017年4月14日 13時) (レス) id: d3600d992a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こさこ
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2017年2月28日 17時
