154 俺たちの都合とただのエゴ ページ4
side宮舘
ラ『待ちなよみんな』
今まで黙ってたラウールが
突然大きな声でそう言った。
おっきくてぱっちりした目を
とても鋭く、でもすごく悲しそうに揺らしながら。
．
ラ『僕だってさ、…僕だって嫌だよ？』
ラ『このまま、はいそうですかなんて言えるわけないし、諦めたくない。』
ラ『しょっぴーがいなくなるなんて、絶対にやだ。』
ラ『…でも、それって、僕たちの都合なんじゃないかな。』
目『…は？……何言ってんのお前、』
ラウールが言った
��俺たちの都合��
という言葉の意味、
俺にはすぐ分かった。
ラ『しょっぴーに生きてて欲しいから、
治療を諦めないで、辞めないでって押し付けるの。
……それは、僕たちの望みであって、
しょっぴーは、翔太くんは違うかもしれない。ってか、違う。』
………これって、エゴでしかないと思う。
そう言い切ってまた俯いたラウール。
こういうところがある、俺らの最年少は。
本当に、驚かされてばっかり。
．
俺も、ラウールと同じように考えてた。
今日ここで、みんなに言おうと思った
まぁ、ラウールに先越されちゃったけど。
．
あれからずっとずっと、考えた。
これからどうすればいいのか、どうすべきなのか
どうすることが正解なのか。
だけど分かんなかった。
みんなが幸せになれる方法は
もう残ってないって、
気付いちゃったからかな。
それならもう、
翔太が苦しまない方法を選びたい。
翔太のしたいようにさせてあげたい。
…たとえそれが、翔太を失うことに繋がるんだとしても。
それが、幼馴染みとして、メンバーとして、
翔太の為にしてあげられる唯一のことだと思った。
．
目『…ラウお前、っ、お前はさ、っ
翔太くんが死んでもいいわけ！？なぁっ！』
バンッ！と机を叩いて立ち上がった目黒が
俯いたラウールに詰め寄る。
ラ『っ、そんなわけないじゃん！！！！
なんで分かってくんないの！バカめめっ、！！』
一気にぶわっと泣き出したラウールは
目黒の手を払ってそのまま机に突っ伏してしまった。
目『…っ、、俺は諦めませんから、』
目黒は目黒でスタスタと会議室を出てってしまって
向『めめ、待って、っ、！』
岩『俺も行く。』
康二と照も目黒の後を追うようにして出て行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1549人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたあめのサブ(プロフ) - sakumamankaiさん» お返事遅くなってしまいました(･･;)コメントありがとうございます＾＾そうですね…このような場面に出会った時、いつもいつも迷い苦しい気持ちになります。宣告の件については最後に解説を致しますのでどうぞ最後までお付き合いください。宜しくお願いします＾＾ (2021年3月28日 11時) (
レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - cakさん» お返事遅くなりました(･･;)とても嬉しいコメントをありがとうございます＾＾当たり前が当たり前ではなくなるのは本当に一瞬です。cakさんもどうか、今ある当たり前を大切にしてくださいね＾＾あと少し、どうぞ宜しくお願いします。 (2021年3月28日 11時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 海樹さん» お返事遅くなってしまいすみません(･･;)コメントをくださりありがとうございます。とても嬉しいです。あと少し、彼らの優しいお話にお付き合いください＾＾ (2021年3月28日 11時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
sakumamankai(プロフ) - 154のラウールの言葉、よく家族に対して思う事が簡潔に書かれていました。本人は緩和治療をしたいと言ってるのに、無理矢理抗がん剤治療をさせようとする家族が多いのです。告知の件以外は、患者サイドに寄り添ったいい作品だなと思います。ラストが楽しみです。 (2021年3月2日 11時) (レス) id: 787adc54fe (このIDを非表示/違反報告)
cak(プロフ) - 初めまして。更新されるたびに涙が溢れてきます。そして今自分が応援している彼らの存在が当たり前ではないこと、大切に応援していかなきゃなと改めて思わされます。素敵なお話を本当にありがとうございます！ (2021年2月15日 22時) (レス) id: 5a66009d34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたあめのサブ
| 作成日時：2021年1月2日 0時
