西の白色看板娘 5！【JW】 (ページ10)

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藤井side

重岡「Aっ！！Aっ！！しっかりせぇ！！起きろぉっ！！」

ピーピーと鳴り響く無機質な機械音と、救急隊員の人たちが慌ただしく動いている音としげの泣き叫ぶ声が混ざり合う救急車の中。

その中で俺は放心状態やった。

Aが俺の腕のなかで意識を失ってから多分まだ30分くらいしか経ってないんやろうけど、

俺にはここまでが何時間にも感じられた。

Aは体にいろんなもん付けられてるけどピクリとも動かへん。

あの時俺が涙目になりながら体を抱き起こすと、Aは震える手で俺の涙を拭った。

そのときの優しくて儚い笑顔と冷たい指先の感触が頭から離れへん。

藤井「…なんでAやねん、」

流星が一番落ち着いてるし最後に一緒におったからっていう理由で、Aから離れへんって聞かなかったしげと救急車に乗ったんやけど、

俺そんな落ち着いてるように見えたんかな。

最後に腕の中におった人がお腹真っ赤に染めて心臓マッサージされてんの見て

落ち着ける人がどこにおんねんっていう話やない？

そんなこと考えてると病院についたらしい。

救急車の扉が開くと、ドラマで見るような大勢の人たちがAをあっという間につれていった。

ポツンと残された俺は何も考えられず、ただ号泣してるしげの背中をさすることしかできひんかった。

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