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『…なんでいっつも子供扱いするの？』
中間「え？」
とうとう尻尾を出した本当の私。
すぐ人に八つ当たりして傷つけてしまう。
淳太くんは何も悪くないのに。
でも1度開いた私の口は止まらなかった。
『手伝うって言っても「ダメ」「あかん」ばっかり。
私そんなにぼーっとしてるかな？そんなに頼りないかな？』
歪んでいく景色の中でどんどん曇っていく淳太くんの顔。
気づくと私の目からは涙がポロポロ出ていた。
『…ごめんなさい。もうやだよね、こんな彼女。嫌いになっちゃったよね…。』
そう言ってから、淳太くんの顔を見るのもいたたまれなくなって、
俯いてぼやける視界の中こぼれ落ちる涙を見つめていると
急に体を引き寄せられて柔らかい柔軟剤の匂いが鼻腔いっぱいに広がった。
そして気付いた。
あ、私今淳太くんの腕の中なんだ、って。
中間「A、ごめん。そんな風に思ってたなんて知らんかった。
でも俺は“子供扱い“やなくて“彼女扱い“やって思っててん。」
『彼女…扱い…？』
中間「もし俺が子供扱いするんやったら、
風呂までついてくし、ちょっとは痛い思いさせてでも経験させると思う。
せやから俺の中では子供扱いしてるつもりはなかってん。」
頭の上から聞こえる、いつもよりちょっぴり低くて悲しそうな声。
そうだったんだ…。なんか申し訳ないことしちゃったな…。
するとおもむろに私の体を離して
真っ直ぐに私を見つめてきた淳太くんの吸い込まれそうな大きな瞳。
中間「Aのことは、なんていうか、
…愛おしくて仕方ないねん。
せやから守りたくなってまうっていうか、傷つけたくなくて。
でもそれでAのこと余計傷つけてたんやな。
ほんまにごめん。」
そうやって悲しそうな申し訳なさそうな顔ではにかんだ淳太くんはポンポンと頭を撫でてくれた。
その手はいつもの淳太くんの大きくて温かい手だった。
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作者名：あんず | 作成日時：2020年11月23日 12時
