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『あー、美味しかった！やっぱ淳太くんの料理はなんでも美味しいね〜！』
中間「ふふっ笑、おおきに。」
いつものように夜ご飯を食べ終わった後、試しに食器を持って台所に向かってみると、
「俺やるから置いといて」って食べながらこっちも向かずに言われた。
やっぱり…。
そのせいで気持ちが落ちてしまい、ドサッとソファに沈み込む。
そのうち洗い物を終えた淳太くんが隣に座ったけど、なぜか不貞腐れてそっぽを向いてしまう。
何いじけてんだ、私。
淳太くんは良かれと思って言ってくれてるのに。
私の異変に気づいたのか、淳太くんがニッコリ笑って私の顔を覗き込んでくる。
中間「どしたん？何むくれてるん笑。」
あぁ、やめて。そんな優しい顔で話しかけてこないで。イライラするから。
あなたを傷つけてしまうかもしれないから。
…あなたに嫌われてしまうかもしれないから。
そうならないように少しでも淳太くんから離れようと何も言わずに立ち上がる。
中間「A？なぁ、どこいくん？」
『…ごめん。』
淳太くんは心配して聞いてくれてるのにそれしかいえなかった自分に余計腹が立ってきて
足早にその場を去ろうと歩き出した時。
『ぅわっ、！』
手首を掴まれて思いっきり引っ張られた。
そして一瞬天井が見えて、次の瞬間には目の前にドアップの淳太くんの綺麗なお顔。
しかし見惚れている暇もなく淳太くんは私を起き上がらせてソファに座らせて、
眉を下げて悲しそうな笑顔で申し訳なさそうに私に尋ねてきた。
中間「なぁ、俺なんか嫌なこと言った？なんかした…？」
『…(コクッ)』
中間「えっ、…。」
もう逃げられないと思って正直に頷くと、淳太くんはますます眉を下げて俯いた。
中間「……ごめん、言ってくれへんと分からへん。」
ここで、淳太くんは何も悪くない。私が悪いの。って言えればどれだけいいことか。
でもね、淳太くんごめんなさい。私はもうあなたを傷つけることしかできないの。
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作者名：あんず | 作成日時：2020年11月23日 12時
