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桐山「それ重いやろ?貸してみぃ。」
そう言って私が持っていたボストンバッグを軽々持つ照史。
半袖からのぞく腕が男らしくてかっこいい。
照史は昔から私が重そうにしてると「貸して」って言って荷物を持ってくれた。
その時にちょっと手が触れるから、
それが嬉しくて重くないのに重いふりしてたっけ笑。
『それにしてもこっちは暑いね〜。』
桐山「ほんまに。毎日溶けそうやわ笑。
ほら、乗って。おばさん待ってるで。」
おばさんっていうのは私のお母さん。
3年前にお父さんが死んじゃってから1人で暮らしてるんだけど、
まだピンピンしてるし、たまに照史が様子を見に行ってくれてるから助かってる。
車に乗るとクーラーがガンガン効いていて涼しかった。
『懐かしい匂いがする〜!』
桐山「電車乗り遅れた時はよく学校まで送ってたもんな。あれ、毎朝やったっけ?」
『うるさいよ笑。
そもそも電車が1時間に1本しかないっておかしいでしょ。』
桐山「それはしゃあないなぁ。こんな田舎やし。」
照史はそう言って笑うと、
桐山「…なぁなぁ、関西弁喋らへんの?」
と八の字眉毛をさらに下げて寂しそうに聞いてきた。
たまにこう言う可愛い顔をして可愛いことを聞いてくるから
その度に余計好きになってしまって困る。
『いやー、東京で使わないからねぇ…。』
桐山「そっか…。俺Aの関西弁好きなんやけどな…。
まぁ、ええねんええねん!そんなこと気にせんとゆっくりしてったらええわ!」
…エアコンガンガンついてるのになんでこんな暑いんだろ。
照史は昔から乙女心というものを知らない。
そういうことを言うと勘違いしてしまう女子が
この世に何千万、いや、何億人いるかなんて全然知らないで
他の女の子の前でもそういうこと言ってんだろうな。
はぁ〜あ…。でも結局可愛いから許しちゃうんだよね…。
『ふふふ笑。うちが関西弁を忘れるわけないやろ笑。
何年ここで暮らしてたと思ってんねん。』
そう言うと、照史は
そうそうそれそれ!!そのうちっていうのが特に好きやねん!って
目をキラキラさせてこっちを向いた。
『ちょ、運転中やろ!前見て!』
桐山「あっ、せやった!」
こういうたまに出る天然も照史の好きなところの1つ。
まぁ、照史が何したところで好きっていうのは間違いないんやけど笑。
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作者名:あんず | 作成日時:2020年11月23日 12時