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…え、今、なんて?
頭がぼーっとして、なんだかふわふわする。
ただ目の前には真っ直ぐこちらを見つめる照史と、
だんだん数が少なくなってきた打ち上げ花火だけ。
でも数は少なくなってきているとはいえバンバン大きな音を立てている花火。
なのになんでだろう。心臓のバクバクがはっきり聞こえるのは。
うちは本当に信じられなくて、夢だと思って照史にもう一度尋ねる。
すると照史は張り詰めていた糸がプツッと切れたようにあーっと自分の頭をガシガシ掻いて、
一回しか言わへんて言うたやん…と拗ねたように俯いた。
あー可愛い……とか言ってる場合じゃないよね、今は。
『好き、って、言った…?』
うちがそう聞くと、
聞こえてるやんけ…!と余計拗ねたように俯いた照史。
こうやって一緒にお祭り来れただけでも幸せなのに、好きだなんて…。
ほんとにうちがこんな幸せになってもええんかな…?
そんなことを考えていると、ふいに頭に置かれた手。
顔を上げると、そこには昔から大好きな優しい笑顔を浮かべた照史。
桐山「俺はAと幸せになりたいねん。
せやから、一緒にいてくれへん?」
そう言っておいで、と腕を広げる照史。
その腕に飛び込んだ瞬間、ギュッと強くハグされる。
…あ、そうだ。うちの気持ちも伝えなきゃ。
『…うちも。』
桐山「え?」
『うちも、好き、やから…!やから、うちでよければぜひ…。』
こんなこと初めて言ったから自分で恥ずかしくなって思わずギュッと照史に抱きつくと、
耳元でふふっと笑い声がした。
え、うちなんか変なこと言った…?
するとなぜか急に不安になってきて思わず照史から離れる。
でも離れた途端すぐ抱き寄せられて、
__________チュッ
『っ……?!』
…キスされた。
うちがびっくりして思わず照史の肩を叩くと、照史はバッと離れて
桐山「ご、ごめん!!Aが可愛すぎて、つい…。」
と言って八の字眉をさらに下げた。
ちょっと恥ずかしいけど、
あー、ほんとにうち照史と両思いなんや、って思えて少し嬉しかったり。
そんなことを思っていると、
照史はうちが頬を赤らめたのを確認したのか少し安心したようにほっ、と息をついて
ほなそろそろ帰るか!とうちの手を引いて歩き出す。
これからも大好きだよ、照史。
横でこっそり呟いたのはうちだけの秘密。
fin.
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作者名:あんず | 作成日時:2020年11月23日 12時