きまぐれくろーばー (ページ5)

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ルーティーンページ5

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まだ人の少ないマンゲキの廊下。

これは一番乗りか…？

そんなことを思いながら楽屋のドアを開けると、
そこにはガチャガチャした服を着て
長い足を組んでスマホと睨めっこしている男が1人。

『やっぱくろには勝てへんねんな〜…』

黒崎「何言うてんねん。まずおはようやろ」

『あ、おはよ』

黒崎「あ、てなんやねん」

冷たい目をこちらに向けてそう言い放った私の相方は
小さくはよ、と言ってまたネタ作りに戻る。

色々言いながらも挨拶だけはちゃんとするところが
こいつの可愛いところ。

『それにしてもあれやな、今日もダサいな』

黒崎「ダサいって他の人にもらった服やねんけど」

『いや、着こなしがダサい』

黒崎「それに関しては
自分じゃもうどうにもできひんからな」

『やからうちがスタイリングしに
毎朝くろんち行く言うてるやん』

黒崎「それだけは断固拒否」

『なんでやねん』

黒崎「朝イチからお前とおったら頭おかしなるわ」

『そこであたおかって言えへんとこもおっさんやな』

黒崎「うっさいな、そこ関係ないやろ」

毎回どちらからともなく始まる軽いやり取りは
毎朝のルーティンと化してきている。

本番前に調子を整えるっていうのもあるし、
最近はこの会話で相方のコンディションが
分かるようになってきた。

今日のくろは、うん、普通やな。

まぁくろが調子悪い日なんて滅多にないねんけど。

ちなみにうちは調子がいい日と悪い日の差が大きくて
ほんまに悪い日はクスリともウケへんねんけど、
そこをくろがフォローしてくれるからほんまに助かる。

NSC時代から優等生やったしなー。
…まぁよう知らんかったけど。

ていうかうちの周りはみんな優等生やったから
なんでうちがあんな人たちとつるんでるのか
ほんまに不思議。

でもみんな良くしてくれて、
おかげさまで毎日ほんまに楽しいねん。

……なんて口が裂けても言わへんけど。

うちが大楽屋のデカいテーブルの端っこで
セブンのサンドイッチをひろげて食べ始める頃には
色んな芸人たちが楽屋に集まっていた。

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