きまぐれくろーばー (ページ22)

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歩かされるがまま歩き
乗せられるがまま乗って着いたのは、
ゆずるに何回か連れてきてもらったことのある居酒屋。

ゆずるが暖簾をくぐるなり
店員さんが「あぁ！」と言う顔をして
顔パスで奥の個室に通された。

黒崎「お前ほんまに何者？」

河井「ただの常連や笑」

なんて笑ってるけどその笑顔はどこか固い。

稲ちゃんも持ち前の明るさで場を盛り上げようとするけど完璧空元気になっている。

個室に着くと自然とコンビ同士で机を挟んで並ぶ。

河井「何飲む？」

黒崎「飲みもんより2人の様子がおかしい理由がほしいわ」

『何隠してるん？ほれ、言うてみ』

うちらがそう言うと、

稲ちゃんはえっ！と驚いて目を見開き、

ゆずるはさすがやな、とでも言うように
フッと笑いを漏らす。

この正反対な反応も2人の見ていて飽きないところ。

稲田「バレてたんですね…」

黒崎「あれは誰でも分かるわ笑」

『伊達にアインシュタイン見てきたわけやないんで』

河井「ほなトキと天竺は俺らのこと伊達に見てたんか…」

『まぁ…そうゆうことになるな』

黒崎「否定したれよ笑」

そんなことを言いながらも、
トキちゃんと天竺に言ってるってことは説教じゃない…と
ホッとする。

でも、それならなんなんやろ。

飲み物が運ばれてきて軽く乾杯をすると、
2人がまたソワソワし始めた。

『だからなんなん？ほんまに笑』

稲田「お知らせしなければいけないことが…」

黒崎「やからそれさっき聞いたって笑」

お前言うてええよ、いやいや河井さん同期ですし…

なんて隣同士に座ったおじさんたちがモジモジしてるのは
なんとも見るにも耐えない光景。

黒崎「打ち合わせしとけって！はよせえよ！！笑」

『なに、結婚でもするん？うちはお似合いやと思うけど』

「「ちゃうわ！！」」

うちがボケると同時にツッコまれ、少し和む空気。

これで少しは言いやすくなったんちゃう？

河井「じゃあ……」

少し座り直してまっすぐこっちを見つめる2人。

こっちも自然と座り直して背筋を伸ばす。

河井「実は4月から」

稲田「東京行くことになりました！！！」

河井「お前何で言うねん！！！」

え、……………？

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