Love Short WESTories Ⅱ (ページ2)

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いつも通りの帰り道。

いつも通り談笑しながら歩いていると、急に望が立ち止まった。

『え、どした』

小瀧「A、好きや。」

へー、好きねぇ…。

…誰のことが？

………A、好きや……A？

……………え、うち？

え、え、え、

『えええええええ！！！？？？』

「あーもう朝からうるせぇ！！」

『いや、だって、だって！』

「なんだよ！！…アイツ外で待ってっけど。早く起きろよ。」

『あ、はい…。』

なんでこんなのが姉ちゃんなんだよ…、と呟いて部屋を出て行く弟。

2歳下でお年頃なのか最近素直じゃないけど、

うちが望の話をすると分かりやすく拗ねちゃう可愛いヤツ。

ていうか夢だったのか。

あーびっくりした。

…ていうかうちなんでこんな夢見てるんだろ。

…ってこんなこと考えてる場合じゃなくね？

今の時刻は8時15分。

あ、ヤバい完全遅刻だ。

今日は流石に望も待ってくれてないだろうし1人でダッシュか。

まぁ今このままの精神状態で会ってもどんな顔していいか分かんないし

逆にありがたい。

超特急で着替えて漫画のようにトーストを口にくわえて家を飛び出す。

うわ、しかも雨じゃんかよ…。

あー朝からだるっ。

そんなことを考えながらドアを開けて傘を開いて勢いよく飛び出すと。

『ぎゃ、！』

いきなり足が滑って前につんのめる。

そしてつんのめった先には階段。

お、落ちる…！！

でもうちの身体能力で今更落ちることを回避できるわけじゃない。

もう諦めて衝撃に耐えよう。いや、耐えられないか。腕は骨折かな。

そんなことを考えてギュッと目を瞑るけど覚悟していた衝撃がいつまでもこない。

その代わりに嗅ぎ慣れた匂いと何か細いものに支えられてる感覚。

恐る恐る目を開けるとそこには。

『あ、望、おはよう。』

小瀧「おはようちゃうやろ！ほんまにお前は昔っから…！」

傘もささずにずぶ濡れになって、

焦ったような呆れたような、でもどこか安心したような表情でうちを支えている

隣の家の幼馴染の望くんがいた。

先の道には望がさしていたであろう傘が放り投げてある。

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その表情に少しドキッとしたのは気のせいだ。…きっと。

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