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そうして着いた大きな家みたいなその施設。
虹って漢字はまだ読めへんかったけど、看板に虹の絵が描いてあるからきっとここ。
ドアの前に立って、俺は弟の肩をもち、
弟、そして自分に言い聞かせるようにこう言った。
｢…しばらくバイバイや。ここの人達は優しいから良くしてもらうんやで。｣
そう言うと弟の表情が少し強ばった気がしたから
安心させるように頭を撫でる。
｢大丈夫。絶対兄ちゃんが迎えに来たるから。それまで待てる？｣
そう聞くと、弟は小さく首を縦に振った。
｢ん、ええ子やな。あ、これ。ここに入ったら大人の人に渡すんやで？｣
そう言ってその小さな手に俺が何回も書き直して
やっと書き上げた手紙をにぎらせた。
ほんまは俺やって離れたくなかった。
最後まで俺が守ってやりたかった。
…でも俺にはできひんかった。
きっとこれからもあの化け物から弟を守ることはできない。
やから神様、せめて。
離れても、もう会えなくてもええから、
これからも傷つけるのなら俺だけにしてください。
もう弟には痛い思いをさせないで。
俺の分の幸せも、弟にやってください。
｢ほな、元気でな。｣
…そんなことを思いながら弟の手を離したのは俺だけの秘密。
そして溢れそうになった涙を隠すように背を向けて歩き出した。
…のに。
｢うぉ、…あれ。｣
歩こうとするのに何かに引っ張られて前に進めない。
そっと後ろを見ると。
｢……。｣
｢……！｣
弟が俯きながらも、俺の服の袖を掴んでいた。
弟の足元の白かったはずのコンクリートには、
まあるいグレーの染みがポツポツとできていた。
ああ、やめてくれ。
こんな時に感情出さんといて。
これ以上俺に罪を突きつけんといて。
そんなことを思いながらも、
その腕を振り払う勇気はなく途方にくれていた時、
向こうの方から大きなレジ袋を両手に提げた2人組の男の人たちが近づいてきた。
｢あれー、僕たちどうしたん〜！！｣
アカン、このままじゃ俺まで施設入れられてオトンが探しに来る。
そうなったら今度こそ殺されてまうかも…。
そんなことを瞬時に思った俺は、弟にろくな挨拶もせずにその場から逃げ出した。
｢あー、ちょっと待って！！｣
｢ちょ、早よ追ってや！！｣
後ろからそんな声が聞こえたけど、
それからも誰かが追ってくる気配もなかったから、
俺はホッとしながらも強い恐怖心と闘いながら家に戻った。
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あんず(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます！！亀更新すぎてお待たせしてしまうこともありますがどうぞ気長に待っていただけると嬉しいです笑 (2021年8月15日 22時) (
レス) id: d92dbb00df (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いています！あんず様のペースでこれからも頑張って下さい(^^)楽しみにしております！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: caca875bed (このIDを非表示/違反報告)
リセル(プロフ) - あんずさん» いえいえ!分かりました!その時はコメントで教えますね!w (2021年7月19日 19時) (レス) id: d52ea51f4a (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - リセルさん» ありがとうございます！！ほんとですね……すっごい恥ずかしい…笑笑これからも誤字とかいっぱいあると思うのでご指摘お願いします(>人<;)ww (2021年7月19日 18時) (レス) id: d92dbb00df (このIDを非表示/違反報告)
リセル(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!更新された最後のページで､アクセルを踏むだと思います! (2021年7月19日 17時) (レス) id: d52ea51f4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず | 作成日時：2021年2月17日 12時
