同居人は有名人ｼﾙﾊﾞｰﾘﾝｸﾞと訪問者後【完結】 (ページ27)

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７６．女の話ページ27

姉『Aちゃん、いろいろごめんね？』

『いえ。よかったです！』

姉『ありがとう。』

『もう、不安な気持ちなくなりました？』

姉『…そうね～。ま、あれが父親になるってのがちょっと不安かな(笑)』

お姉さんが旦那さんをちらりと見て笑った。
その視線の先にいる旦那さんが、妊娠を知った時に大きな声で『やった―！！！』と、叫んだのを思い出して笑ってしまう。

『きっといい父親になりますよ。子煩悩な(笑)』

姉『きっと激甘ね。ほら、心配でしょ？』

なんて。お姉さんは幸せそうな顔で笑った。

姉『なんかさ、世界が違うなって思ってたの。』

『え？』

姉『お医者さんってさ、人から先生って呼ばれるような人じゃない？人の命にかかわるような仕事でさ、難しい本読んでて。どっかにね、壁を感じてたの。』

『あ、だからー？』

姉『そ。あの時ね、スタジオ観覧しててさ。Aちゃんもそんな風に壁とか感じてんのかなーって思って。変なこと聞いてごめんね？』

『いいえ。実際に言われてちょっと考えちゃいましたけど。』

姉『なんて？』

『うーん。。やっぱり和は芸能人だし…この壁は越えられないけど。でもそれは職業的なことであって。同じ世界に住んでるし、同じ部屋に住んでるし。きっと和から見たら私の仕事だって違う世界に見えるのかなって思うし…。』

姉『ふーん？』

『だから、なんて言うか…二人がいる世界が、二人の世界なのかなと。あれ？なんかわかんなくなってきました。』

姉『ふふ。そっか(笑)』