同居人は有名人ｼﾙﾊﾞｰﾘﾝｸﾞと訪問者後【完結】 (ページ12)

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６１．車内でページ12

『な、な、なに？』

なんでわざわざこっち来たの？？
車内の暗さと、和のかぶった帽子のせいで表情が見えなくて不安が募る。

ニ『なにビビってんの？』

『ビビってなんか…』

言いかけてる時に、和が私の額に触れた。

ニ『やっぱりぶり返してんじゃん。』

『え？』

ニ『風邪。熱いんだけど。』

風邪…
そういやひいてたわ…。

『…忘れてた。』

ぽつりとつぶやくと和がまたひとつため息。

『だって…！！！』

そう言いかけた時、和が私を引き寄せた。

気がついたら、とんっと和の胸の中。

ニ『あー、俺のせい？って？』

少しだけ申し訳なさそうに和が言った。

『そ、そうだよ。和が倒れたりするから…』

言われると思ってなくて少し戸惑ってうまく口が回らない。

ニ『倒れた？』

『そうだよ…なんで倒れたの？？もう大丈夫なの？？運転して平気？？』

抱きしめられた胸から顔をあげて和を見た。
そしたら和がちょっと考えたような顔。

？？

『なに？』

その声に反応するように和が答える。

ニ『あ、大丈夫。もう大丈夫だから。心配かけてごめんね？』

って、いつもの笑顔。
その笑顔にほっとした。