寝ても覚めても。２ (ページ15)

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和「なにこれ」

和くんが近づく気配にビクリ、として
さらに小さくなって松本くんの後ろに隠れた私に、どうやら和くんは気づいた模様。

ちょっぴり不機嫌そうに、ムッとした声を出した

智「…ニノでもダメなの？」

ぼそ、って大ちゃんが呟く

今は、和くんだから嫌なんだよ？

和くんが、大ちゃんが、お兄ちゃんが。
３人だから、私。

でも、私が泣いてたら
３人は絶対ほっとかない
心配性な３人だから、泣き止むまで誰かがそばにいてくれるの。
小さい頃から、それは絶対。

和くんが、その場から動かずにじーっと私を見てるのが分かる。

きっといつもみたいに
我慢できなくなったわたしが
「和くん！」って、えーんって抱きつくのを待ってる。

潤「……俺がなんとかするんで、」
和「できんの？」
潤「……」

潤くんの身体が、ぐ、と強張った

和「A？」
「……」
和「…いーの？」

返事をしない私に
和くんが呆れたみたいにため息をついた

和「…しょーがないなぁ」

子供にいうみたいな言い方
和くんの気配が離れた

翔「……松本、よろしくね」

お兄ちゃんの一言が聞こえて
しばらくして、松本くんの身体から力が抜けた

ゆっくり顔を上げると
松本くんが、いつもよりも、キリリと怖い顔

「松本くん、ありがとう」
潤「いいよ、全然、このくらい」

持田「大丈夫なの？あんなあからさまに避けちゃって…」
「…大丈夫じゃないかも…、驚いて涙が引っ込んじゃったよ！」
持田「翔さん、すごく驚いてたよ」
「……心配性だから、３人は」
潤「どーすんの？…ずっと避け続けんの？」
「無理だって分かってるんだけど…」

後で、３人に謝らなきゃ
なんでもない振りして
大丈夫だよー！って笑顔で

じゃないと何があったって探られる
心配性な保護者が３人

保護者になってほしいんじゃないのに

「話聞いてくれてありがとう」
持田「いつでも聞くよ！何言ってんの！」
「…乾くんには、ちゃんと返事するよ」

松本くんがちょっと複雑な表情でこっちを見る

「分かるって言ってくれて、勇気出た」
潤「うん」
「ちゃんと考えて、乾くんに返事する」
潤「うん」
「…松本くんが、分かってくれるって思ったら、頑張れる気がちょっとする」
潤「…そっか」
「また、辛くなったり、訳わかんなくなったら、話聞いてくれる？」
潤「仕方ねーな」
「わたしも、いつでも相談乗るからね」

松本くんが、小さな声で、うんって笑った

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