SUGAr/side…YG ページ44
凍るような空気が漂う空の下、厚着をした俺はバルコニーのベンチに腰を掛けて珈琲の湯気に暖を頼っていた。見上げてみればそこには美しい星が無数にあって神秘的だった。星に見守られている気分。まるでAヒョンみたいだ。
喉を通る少し熱い珈琲が体に染み渡って心臓付近がじわりと滲むような感覚を覚える。身体が冷え切っている証拠だ。中身も無くなってきたし、そろそろ部屋に戻らなくては。
EA「ユンギヤ、風邪引くよ」
YG「わっ、…ヒョン」
立ち上がって部屋の入口の方面を向くと目の前にはベージュのジャンパーを羽織ったヒョンが立っていた。部屋の光がヒョンの輪郭を照らしている。少し眩しくて目を細めた。
ヒョンが片手に持つお盆にはカップが二つあり湯気が立っていてとても暖かそうだった。俺を見かけたヒョンが俺のために珈琲を入れてきてくれたそうだ。
目線で俺のカップを確認して少し眉を下げて微笑むと「もう飲んでたんだね、じゃあこれいらないか」と言って今度は部屋に戻ろうとするので強く引き止める。俺があなたが淹れる珈琲を拒むはずがなく、寧ろすごく嬉しいのに。勝手に下げられてしまっては困る。
再びベンチに座り、今度は二人で空を眺めてみる。隣に誰かがいるだけでこんなに暖かくなるだなんて思わなかった。いや、これはAヒョンだから一段とそう思ってしまうのかもしれない。
EA「ここは暗いから星がたくさん見えるね」
YG「天体観測は好きですか?」
EA「うん、小さい頃に一人でよく川辺に遊びに行って空を眺めていたよ。今となっては笑っちゃうけど、孤独な僕を月や星が照らしてくれていると思っていたんだ。まるで舞台の主役になったみたいに」
ヒョンの瞳が煌めいて彩度が上がる。香る哀愁に胸を痛めてしまう。ヒョンはきっと、孤独を知っているから皆に優しくすることができるんだ。感受性が高くなったから演技も上手なんだ。
EA「今は皆やARMYが僕を照らしてくれる。幸いにも僕には一等星が沢山あるから、今の僕があるんだと思う。本当に恵まれているね」
小さく口角をあげたヒョンが今にも消えてしまいそうなほど儚く、美しく見えた。少し低めの声にエッジがかかり色気も感じさせる。
ヒョンの手を握ると想像以上に冷たくて驚いてしまった。まるでこの世にいない存在のようで不安になる。何がそうさせているのだろうか。
EA「ほら、月が綺麗だよ」
日本語で言ってよ。俺はその意味を知っているから。
ヒョンは本当は月から来たの?
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Hor(プロフ) - 46さん» 閲覧、コメントありがとうございます!これも皆様の支えやご協力があったからです!本当にありがとうございます!46様もお身体に気をつけてお過ごしください!これからもこの小説をよろしくお願い致します! (2021年4月3日 14時) (レス) id: 8511c6e638 (このIDを非表示/違反報告)
46 - 続編おめでとうございます〜!これからもお体に気をつけて頑張ってください〜! (2021年4月3日 8時) (レス) id: e3db527284 (このIDを非表示/違反報告)
Hor(プロフ) - moonさん» 閲覧、コメントありがとうございます!今回のお話を甘々にしようと思ったらあんまり甘々にできなかったです…本当に申し訳ありませんでした。続編にて日常編に戻りましたら取り入れさせていただきたいと思います!頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2021年4月1日 16時) (レス) id: 8511c6e638 (このIDを非表示/違反報告)
moon - この作品が好きでいつも読ませてもらっています!出来たらでいいんですが、砂糖のユンギさんとEAさんの話が見たいです!あと、これからも応援してるので頑張って下さい! (2021年4月1日 13時) (レス) id: 5c8c3be44d (このIDを非表示/違反報告)
Hor(プロフ) - ましろさん» ましろ様、再びコメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです!その暖かく優しい言葉に救われます…!こちらとしてはあまりお待たせしないようにしたいので頑張らせていただきます!(笑)これからもこの小説をよろしくお願い致します!! (2021年3月24日 23時) (レス) id: 8511c6e638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hor | 作成日時:2021年2月17日 21時