「おかえり」には「ただいま」を

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翔side


深夜、フッと目が覚めた。


定期的にガンガン痛む頭とカァッと熱い身体。


薬飲まないとさすがにきついと感じ、一緒に寝てくれてる相葉くんを起こさないようにゆっくりベッドから抜け出した。


物音を立てないように引き出しから痛み止め兼解熱剤である薬をだして、次に水を注ぐため台所に向かう。


「はぁ…っ」


生憎、電気のスイッチが遠くて、このフラフラした足取りでつけに行く気分にならない。

自分の家だし、薄っすらとしか見えなくたって大丈夫だろうと思ってそのままにしてると


「ん…？」


パチッと電気がつく音がしたと同時に、パッと部屋が明るくなった。


「あ…か、和くん…」


電気のスイッチの方を見ると和くんが居て。


俺の頭の中でこだまする『体が弱い奴と一緒にいて何が楽しいんだか』って言葉。


「…んだよ、その顔。腹立つんだよ」

「ごめんなさい…っ」


よっぽど俺が怖がってる顔をしてたのか、そう言われちゃって。


舌打ちしながら、俺のそばにある冷蔵庫に向かってきた和くんは乱暴にお茶を飲んだ。


俺は邪魔にならないよう、壁に引っ付くように立ち尽くして俯いてると


「なに？謙虚ぶってるつもり？潤と俺を悪者扱いしてるんだろ？」

「ち、違うよ！悪者になんてしてない…っ！」

「声ちっせえんだよ」

「ごめんなさい…」

和くんかガンッと音を立ててシンクにコップを置いてグッと近づかれると、胸倉を掴まれた。

ああ…声が、そして音や振動が全て頭に響く…。痛い…。


でも


「和？！なにしてるんだ！！」


次に響いて痛みに変わったその大きな声は、決して嫌な痛みじゃなかった。

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